父親が体験した話。あんまり怖くなかったらごめんな。少なくとも自分はこわかった。
自分がまだ消防の夏休み、地区でお楽しみ会なるものがあった。
まあ小学生5、6年生が企画してその地区の小学生全員で遊ぶというちゃちなもので、いすとりゲームやらオリエンテーリングやらで遊ぶんだ。
それらが終わった後、大体毎年九時頃解散になるんだけど、引率してた保護者たちだいたい10人くらいで「打ち上げをしよう」となったらしい。
誰かが酒を大量に買ってきて、なかなか盛り上がったみたいだよ。11時くらいまで喋くってたらしい。
まあ夏だしな。自然と怖い話・・・っていうか、霊感があるかないかの話になったんだと。
みんな口々に霊感なんてない、まあおばけ見てみたいけどねーwwとか言ってたそのとき。
車が通ったんだ。
父ちゃんはちょうどそのとき顔をあげたらしい。そして見た。
車のうしろを追いかけるように飛んでいく火の玉のような浮遊物を。
とっさに隣で飲んでたやつの顔を見た。そいつも信じられないものを見たとでもいうような顔をして、指は小刻みに震えていたらしい。
「おい、オイ!お前今みたよな!?今、見たよな!?」
まくし立てるとそいつも首を立てに振って、みた、みたと言っている。
「見たよな!?火の玉とおったよな!?」
言った瞬間、頬をひっぱたかれたらしい。そいつに。何が起きたか理解できてない父に、そいつは必死の剣幕でこう言ったらしい。
「何言ってんだ!!!女が走っていっただろ!!!?」
>>599
おわり、ですか?
>>600
終わり。その二人以外には誰も車が通ったことしか見えてなかったらしい。
酒も少量だったし、酔ってはいなかったと父は言ってる。