小学3~4年の頃に学年で林間学校に行った時の話。
確か現地に着いて二日目だったと思うが夜にきもだめしをやった。
男女が出席番号順に並んで隣り通しになった奴とペアになって、決められた林の中の道を歩いていってお札かなんかを取ってくるって感じだった。
きもだめしが始まる前に校長が怖い話をしだしたり、周りの先生も
「道を進んでいる最中に立ち止まったり、ペアになった人の手を離したりしたら駄目だよ。幽霊につれていかれるから…」
みたいに怖がらせるもんだから表面上は平気なフリしてたけど内心俺はかなりビビってた。
そして俺の番が回って来た。
林の中は懐中電灯がなければ進めない位暗かった。
俺はもちろんペアになった娘もめちゃくちゃビビってて、とにかく早く終らそうと速足で進んでいった。
そしたら道を曲がった正面に長い黒髪を貞子みたいな感じにした黒い浴衣を着た女が突っ立ってた。
ピクリとも動かずに佇むその女を見た瞬間、俺もペアの娘もびっくりして息を飲んだ。
俺達はその女を警戒しながら女の横を通って急いでゴール地点まで向かった。
ゴール地点には既にきもだめしを済ました友達が何人かいた。
俺は早速さっきの女の話を友達にしたんだ。
俺「道に人いたよね?あれ人形?」
友「あの人はS田先生だよ。びっくりしたよな~いきなり驚かせてくるんだから。」
俺「俺の時は立ってただけだったけどなあ。でも怖かった~!」
みたいな会話をしたその後、さっき通ってきた道からおばけ役のS田先生がやって来た。
S田先生は浴衣ではなく半袖Gパン姿だった。
その時俺はまだ子どもだったから林の中で着替えたんだな、位にしか思っていなかったけど普通だったら真っ暗な林の中でわざわざ着替えなんかしないよな?
んでもって今から思い返してみるとS田先生の髪の毛の長さはせいぜい肩よりちょっと長い程度だったけど、森の中で見た女の髪は軽く胸辺りまではあったんだよね。
しかも見た女が幽霊とかならまだ納得(?)できるんだけど、あの女は絶対に生身の人間だったよ。
補足
何で俺達のペアがS田先生に会わなかったのかってのには理由がある
道の途中で二股に分かれている所があって、一つはS田先生が潜んでいる道。
もう一つは草むらにマネキンの首が転がってる道(悪趣味だよな…)だったらしい。
で俺達二人は後者の方を進んだって訳。
まあ俺達は謎の女に釘付けで道に転がってるマネキンの首なんかには気が付かなかったんだけどね。
念の為書き込んでおくがS田先生意外に驚かせ役はいなかったはずだし、俺と同じ道を選んだ奴からは女がいたなんて話を聞いた覚えはない。