俺の家に達磨の絵があるんだよ
髪が長くて顔も女顔の達磨とか、デブの達磨とか、ひょろ長いじい様の達磨とか
なんか妙に人間臭い個性的な達磨が7体無造作に転がってる絵なんだよ
俺ガキの頃その絵が飾ってある部屋で親と寝ててさ
そんなかで一際でかく描かれてる髭はやした白達磨が滅茶苦茶怖かったんだわ
何でかって、そいつ黒目が動くんだよ。
ぎょろって上を見上げてるんだが、俺が直視すると明らかにこっち見てんの。
親に言っても気のせいって言われるし、仕方ないんで6歳位まで
そいつと毎晩睨み合ってたんだわ。
それから先は自分の部屋で寝るようになったからその達磨の事も忘れてたんだけどさ。
ある日、俺ん家に友達が来たんだよ。
そいつちょっと霊感あるやつで、たまたまその達磨の絵が飾ってある部屋の前通ったとき、
「げぇ!!」って言ったんだよ。
何?って聞いても、いや別に。って感じでかわされてさ。
なんかムカついたから、何何何?っしつこく聞いたら
今は言いたくない。外行きたい。外で話すって言い出してさ。
結局公園行って聞いたんだわ。
「お前ん家、趣味悪いよな」
失礼な、何言い出すんだこいつ
「あの絵、何だよ。おかしいだろ…何飾ってんの?」
「え?あの達磨の絵?」
「達磨じゃねーよ!!あれ人間の絵じゃねーか!!」
俺がダルマ女っていう都市伝説を知ったのはその後だ。
友人曰く、
「俺が部屋の前通った時、あいつら7人全員一斉にすごい形相で睨んできた。
……あいつら生きてるよ」