私の家族が体験した話
私の家族が体験した話
父は水回り関係のリフォームをする仕事を過去にしていた。
下請け業者からシンクリフォームを頼まれた。
シンク下のS字パイプのリフォームをして、他の家に取り付けようと言う事だった。
父は自宅兼作業場になっている家にそれを持ち込もうと軽トラで向かった
軽トラにシンクを積み込み、ロープで固定して
途中で送信されてしまった…
ロープで固定して持ち帰ろうと車を発車させた。
“ゴトン!”
と音がなったのでバックミラーで確認した所、シンクが荷台から消えていた。
車から出て後ろを見ると、シンクが荷台から落ちていた。
父はもう一度ロープと、今度はゴムチューブのロープを使ってシンクをしっかりと固定して車のエンジンをかけた。
キーを回すがエンジンがかからない。
暫くキーをカチャカチャして、何とかかかったのでそのまま発進させて、持ち帰ったそうな。
当時住んでいた家はアパートの離れのような所で、一階が作業場・二階が住居となっていた。
母と一緒に作業場にシンクを運んで、パイプを切り離す為にガスバーナを近づけた時
二階で寝ていた当時赤子だった兄が泣いた
泣き声に気付いた父は、母に様子を見てくるように促し作業を一時中断した。
様子を見て二回から降りてきた母は「大人しく寝ている」と父に言ったそうだ
作業を再開してガスバーナの火を再びパイプに近付けた時、また泣き声が聞こえる。
再度父は母に様子を見てくるように促す。そしてそのまま付いているようにと言い、一人で作業を始めた。
父がガスバーナを近付けた時、上で寝ていた兄がギャン泣きを始め「あちち…あちちー!」と泣いていたと言う。
その様子を母から聞いて、今日は止めておこうと流し台を階段下の窓辺に置いた。
その日の夜中、尿意を覚えた母はトイレに立つ。
当時の家のトイレはアパートの共同トイレで自宅の外にあった。
用を足して室内に帰ろうとした時、母は窓辺に白い人影を目撃する。
その人影は窓辺を左右にゆっくりと行ったり来たりを繰り返していたそうだ。
暫くそれを見ていた母は、泥棒かも知れないと、外側にある階段から二階に上がり、父を揺すり起こして事情を説明する
父はすりこぎを、母はフライパンを持って一階に降りてその場を確認する。
そこには預かってきたシンクで何か料理をしているおばあさんの姿があったそうだが、此方に気付くとふっと消えたそうだ。
もちろん、シンクは使われた痕跡のない状態。
父と母は怖くなって翌日そのシンクに塩を撒きながら下請け業者に突き返したそうだ。
私が生まれる前なので40年くらい前の話です。