大学の合宿施設の近くに実家のある先輩に誘われて、地元の花火大会を見学していた。
引用元: ・死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?293
「お前ら、俺担いでいるのか?」
先輩の話だと、山道に入って、
「この辺りに神隠しの伝説がある」って話した時、
黒い靄のようなものがかかった感覚があったので、
『眠気に襲われたか?』と思ったら、
なんか、白い影が見えたので、
急ブレーキを踏んだとのこと。
そう、その後の話は、先輩の記憶にはないのです。
先輩のはなしだと、確かに、この辺で、明治時代、昭和30年代に、神隠し事件があったこと。
この辺りの伝承だと、夜中に、屋外で、夜が更けてから、
夜明けまでの間、百話怪談をすると、異界に行ける。
という伝承があること。
地元の郷土史研究家とかは、戦国や、江戸時代、まだまだ過酷で、
飢饉とかに結構頻繁に見舞われていた時代。
(しかも、この辺りは、土地が痩せていて、貧しい地域だったのだとか)
そういう『苦しい浮世を捨て、別世界に行きたい』的な信仰があったから、
そんな伝承が生まれたのではないか?と、言っているのだとか。
で、明治時代の教授(と、その助手たちもいたのだとか)、
30年代の大学院生は、それを実行したといわれているのだとか。
「確かに俺も、その話聞いたときは、やってみたいな、って思った事はあったけど・・・」
先輩もさすがに青い顔をしていました。
時間を見ると、1時30分過ぎ、山道の入り口は、すぐではありませんが、下に見えました。
そして、車の横には、小さな、石造りの祠が見えました。
皆黙って、その祠にお祈りをした後車に乗りました。
不可思議な体験の後でしたが、なんと言うのか、
もう大丈夫という、妙な安堵感があり、恐怖はあまり感じませんでした。
「わり、左の頬が少し痛むんで高速の入り口で運転変わってくれ。」
「あ、ああ、いいですよ、俺が運転しますんで」とB
その後は何事もなく無事東京につきました。
長文申し訳ありませんでした。これで最後です。
が、その後、いくら思い出そうとしても、30話近い怪談話は思い出せません。
最初に話した数話は確かに覚えているのですが、
その後、どんな話をしたのかが、まったく思い出せないのです。
が、その不可思議な体験、何よりも、あの真っ暗な光景は、今でもありありと覚えています。
最近部のOB会で久しぶりに、先輩、A、Bと会いました。
話題になったのは、やはりあの時の不可思議な経験です。
「まあ、ハイウェイヒュプノシスとか、集団催眠みたいな状態だったのかも?」
不可思議な体験を、無理やり説明づけようとするわれわれ。
そんな私たち三人に対し、少々ためらったってから、先輩が
「実はな、あの道で、最近、失踪事件が起こったんだ。」
何でも、地元の若者たちの乗った車があの道に入ったのを目撃されたのを最後に、
その後行方不明になっている人たちがいるのだとか。
お前らが体験した人に言っても信じてもらえない実話ってある?
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