301: 本当にあった怖い名無し 2013/06/27(木) 21:03:50.84 ID:BdqhN7mC0
その部屋には何故か黒いソファーが備え付けてあった。
前の前の前くらいの住人が「いらないので」と置いていったとのこと。
それを聞いた自分は「うわあ!オカルト話でよくあるやつ!」なんて思ったが、貧乏でテーブルしか
持っていなかったので、ありがたくベッド代わりに使わせてもらうことにした。
住み始めて数日経った夜、ソファーで寝ていると突然背中に痛みを感じた。
何か虫?と思いながら体を起こし電気をつけてソファーやTシャツを確認してみたが何も見当たらず、
その日から不思議なことが起こるようになった。
背中のチクチクに加え、金縛り、うめき声、モヤモヤとした黒い影が部屋に入ってくる、誰かが背中に
顔をベタリと付けてくる、包丁で刺される夢を見る・・・。
全てソファーで寝ている時に起こる。
仕方なくソファーにシーツをかけ、なるべくソファーに近づかないように生活をしていた。
何故ならこの隣のAさん、かなりアレな人だったからだ。
挨拶も無し、少し物音をたてただけで壁をドン!、ドアに「うるさい!」「掃除!」と書かれた張り紙を
してくるなど酷かった。
「なんだコイツ」と思いながらも見守っていると、近くにコンビニの袋が落ちているのに気付いた。
そんな人だったので「引っ越してくれてありがとう!」と心から感謝していた。
鼻歌交りに部屋に戻りダラダラしていると、隣が何やら騒がしい。何かあったのかな?
なんて思っていると、「B君(俺)!ちょっと来て!」と大家さんの孫が呼ぶ声が聞こえた。
「どうしたんですか?」と隣の部屋に行くと、大家さんの孫が血相を変えてどこかを指差している。
パッと指差した方を見てめちゃくちゃビックリした。
壁に釘が何十本もぶっ刺してあった。
呆然と見ていると大家さんが「よく見てみろ。色々書いてある」と言うので近寄って見てみると、
釘のぶっ刺してあるところを中心に壁にバーっと細かい字と汚い絵が沢山書いてあった。
絵は小学生が描いたような女と男の裸の絵で、上から爪か何かで引っ掻いた跡があった。
細かい字の方はもう「死」とか「呪」とか「殺」とか・・・いかにもな字が並んでいた。
「○○死ね」というが沢山あって、もちろん俺の名前もあったのだが大家さんが言うには
「B君の前の住人たちの名前があるな」と言っていた。
それを見て何となく気付いた。この壁の向こうって丁度ソファーがあるあたりだ。
あの現象ってソファーが原因だったんじゃなくて、これが原因だったんじゃないかって。
恐らく前の住人たちはこの事実を知らずに、ソファーに原因があると思って置いていったんだろうなあ
と思うと何とも言えない気持ちになった。
Aさんが何でアパート出て行ってから、しばらくぶりにソファーで寝てみたが何も起こらなかった。
やっぱりあれが原因だったのかと確信した。
ちなみに大学を出るまで住んで、出るときに大家さんに「ソファー持ってくか?」と聞かれたけど
「いや、いらないです」って断った。
でかいんだもん。