都道府県の怖い話

【千葉県の怖い話】不気味な白い女

135: 本当にあった怖い名無し 2012/09/04(火) 01:05:54.90 ID:Dei8f7W90

昭和50年頃の話である。

20160302a 

 

千葉・鴨川のお客様先でトラブル対応を終え、Aが同僚Bと
共に社用車に乗りこんだのは夜も22時を過ぎていた。
支社のある千葉市内へ戻る途中の出来事である。
夜も遅く早く帰宅したかった。東京湾沿いに出る方が道は
良かったが、若干近道な山を越えていくルートで帰ることにした。

その道は現在国道410号となり、道も拡幅改良されて
君鴨トンネルで結ばれているが、当時はまだ国道ではなく、
峠を越える道は三島トンネルで抜け、その付近は普通車でも
離合困難個所の多い狭い峠道であった。
小雨の降る中、対向車はなく、車のヘッドライトは闇を照らしていた。
やがて峠を越えるため、トンネルに入った。
峠の狭いトンネルは不気味な感じであった。トンネルを抜け、
下り坂に差し掛かる時、ヘッドライトの照らす先に白い影の
ようなものが見えた。

折しも心霊ブーム。千葉では京葉道路に幽霊が飛び出るとか
幸町団地に幽霊が出るとか誰もみていないのに、
知り合いの知り合いが見たとかいう噂が広まっていたこともあり、
Aはこの暗い道で内心かなりビビっていた。
そして、白い影がはっきりと闇夜に浮かび上がると、
Aはうわっ叫ぶとともにブレーキをかけた。

ライトに照らされた白い影がうごいている。

一瞬パニックに陥りそうになったが、よく見ると明らかに足がある。
しかも傘をさしている。
すぐに幽霊・心霊現象の類ではなく、人間であろうことは
理解できた。しかし、小雨の降る夜遅い時間、なんで人気も
交通量も少ない街灯もろくにないこんな山道にいるのだろうか。
事件?事故?にまきこまれたのか?
こんなところで何をしているのだろう。気味が悪かった。

 

136: 本当にあった怖い名無し 2012/09/04(火) 01:10:55.63 ID:Dei8f7W90

幽霊ではなさそうだということで、車をゆっくりと発進させた。
白い人影にどんどん近付き、照らされて様子が明確になる。
白い服を着た女性のようだ。
Bは夜遅い人気のない山道だから、この後この白い服の
女性が事件とかに巻き込まれると後味悪いから声をかけようと
考え、Aに車を止めるように言う。
横を通り過ぎる時に確認すると、白い人影は本当に白い服
を着た中年と思われる女性だった。そして、目が合った。
Aは逆に気味悪いから車を止めたくなかったが停車した。
車の窓を開け、女を見ると恐ろしい形相で二人を睨んでいた。
Bは女が車の二人を警戒しているのだと思った。
誤解を解くべく、Bは雨の降るこんな暗い山の夜道、
何をしているのか?大丈夫か?と女に尋ねた。

女は「※*?@&&$#!!!!!」意味不明な言葉で
絶叫する。
そして手にしていた傘を閉じ、Bを窓越しに突こうとした。
Bは驚き、身を伏せた。傘はBではなく車のドアを突いた。
女は意味不明なことを喚き散らしながら傘で車をたたき始めた。
Bはあわてて窓を閉める。同時にAは車を発進させた。

 

 

137: 本当にあった怖い名無し 2012/09/04(火) 01:12:25.54 ID:Dei8f7W90

バックミラーを見る余裕などない。
しばらく走り人家が見えてきた頃、ミラー越しに後ろを確認する。
当然のように闇夜であり、白い人影は見えない。
漸くAとBは言葉を交わした。

「基地外かな・・・」
「既知概だな・・・」
「怖かったな。。。」
「ああ。。。」

その後、同僚Bを家へ送りAは社用車で自宅へ帰宅した時は
深夜1時を過ぎていた。疲れと緊張のため、
その場でへたり込み寝てしまった。翌日、社用車の傷は
会社で取り立ててお咎めされなかったが、
報告した顛末は信じてもらえなかった。

三島トンネル付近に基地外が出るという話や何か事件が
あったとか、ましてや幽霊話などの後日談は何もなかった。
それっきりである。

でも、あの時の白い女はいったい何者だったのだろうか。

<<終>>

 

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