今から六年くらい前、社会人テニスサークルの合宿でのことです。
サークルにはヤンキーキャラ公務員K君というメンバーがいました。
夜、部屋で宴会していて怪談話でわいわい盛り上がってました。
しかし、基本怖いもの無しのヤンK君はつまらなかったようで、黙って独りで呑んでました。
みな一通り自分の持ちネタを披露したので、『あとはKだけだよ』と聞くとヤンKは『う~ん。俺霊感とかねーし。』
それでもしつこく催促すると『あ。こないだこんなことあった。』
と淡々と話始めました。
続く
続き
ヤンK君の話はこんな内容でした。
ちょっと前に出張で止まったホテルでのこと。仕事が予想外に手間取り、チェックインが深夜になりました。
疲れたヤンK君はすぐ寝ようと、シャワーも浴びず着替えました。
そして、さあ寝ようと、綺麗にベッドメイクされ、ベッドにぴったり貼り付いた毛布を、よっこらしょ、と引き剥がすと。
毛布の裏には長い黒髪がびっしりと張り付いていました。
それはまるで、一人分の髪の毛を全て毟ってまぶしたかのようでした。
続く
続き
そこで短気なヤンK君は、手入れが行き届いてないと怒りました。
怒ったヤンK君はすぐさまフロントへ電話しました。
フロント『はいフロントです』
ヤンK『このベッド。毛布の裏毛だらけなんだけど!』
フロント『申し訳ございません、お客様。すぐ「部屋」をお取り替えしますので。』
ここで初めてヤンK君は怖くなったそうです。
たったこれだけのことでなんですぐ部屋替える話になるんだ、と。
ヤンK君曰く『あれはちょっと怖かった』
終わり