居間は24時間365日電気テレビつけっぱなしの不夜城
城主は母親
その日は城主が旅行に行ってて留守でした
それをいいことに居間でお酒飲んでガンガンに酔っ払ってました
で、居間のでかいテレビで映画見ながらうとうとしてたんだけど
いつの間にか寝ちゃってたのね
気づいた父親が毛布持ってきてくれた、それが10時くらい
ああ、朝まで居間ルート確定やなって寝惚けながら思った
そのあと、2時か3時くらい?に父親が居間をのぞきに来たのよ
水音がしてたからトイレついでだと思う
わたし飲酒後の状態があまりよろしくないもんだから心配して
安らかに寝てるかどうか見にきたんだろうね
寝ながらリバースする前例もあったしな…
で、その時は居間の電灯もテレビもヒーターも、全部点いてた
不経済だと思ったんだけどいつも母親がやってることだから
別になんとも思わなかった
猫も膝の上にいるし、身も心もぬっこぬこで気分良かった
アルコールもまわりにまわり、まさに極楽
でもしばらくして、だんだん光や音が鬱陶しくなってきたのね
起き上がってテレビと電灯消したのが3時42分
これははっきり覚えてる
部屋の中はボーというヒーターの音と、
23度って表示してある黄色のランプだけになった
そのランプ(なんていうんだっけ、電光掲示板みたいなの)の光が
かなり明るくてさ、夜目にもまわりが結構見えるのね
家具の輪郭とか壁掛けのカレンダーの数字も見えるくらい
それくらい明るかった
前置き長くてごめん、次で終わる
しばらくして、また居間のドアが開いた
あーまたおとうさんかー、って思ってぼんやりと薄目を開けた
何回も来なくていいよパピィwっていうニュアンスをこめて
「んー?」って言ったんだけど、返事がなかった
あらら気のせいか?と思ってもう一回よく見てみるんだけど
そこには確かに人影があったのね
そこで気づいた。その父親?の顔、真っ黒。
さっき書いたけど、部屋の中カレンダーの数字見えるくらい明るいのに、真っっ黒。
しかもそれ普通に陰になってるんじゃなくて
なんていうか…油性ペンでガガガーッて乱暴に塗り潰した?ような
変なエフェクトかかってた
ホラーな話でよくあるでしょ、「廃虚にある塗り潰された婦人絵画」とか
でもその時はおとうさんだと思って疑わなかった
寝惚けてたし酔ってたしね
そしたら父親?はドアの向こうにすっと引っ込んでいった
がちゃん、ていうドア閉める音も確かに聞いた
次の日父親に確認したら、居間には2回来たとのこと
ただし電灯が点いている時(3時42分以前)だったそうで
電灯消えてただろ?な?消えてたって言え!って言っても首を横に振るばかりで…
父親じゃなかったら誰だったんですかって話
書いてみるとあんま怖くなかったな
でももうあそこでは寝れない