319: 本当にあった怖い名無し 2006/08/23(水) 02:31:27 ID:gi1+S3BKO
これはウチの祖母の体験で、かれこれ20年近く前の話。
近所の婆さん・Hさんが病気で(ってもほとんど老衰だけど)入院し、
うちの祖母は「来てくれ」と婆ちゃんがせがんでいるからHさんの家族に言われて、
見舞いに行った。
しかし、祖母が病院に着いた頃には急変しており、婆さんはスパゲティ状態。
いつ逝ってもおかしくなく、意識レベルも3桁(意識不明)に突入していたと思われる。
そんな状態だからか、見舞いに行った祖母は追い返されず、最期の別れを
していってくれと言われた。
それでは……、と祖母が病室に入ると、途端、今まで閉じられてたHさんの目が
くわッと開き、祖母に視線を向け、管だらけの手で一回手招きして息絶えたそうだ。
祖母はゾッとして、挨拶もソコソコに逃げるように帰って来て、
「恐い目にあった」と私ら家族にその体験を語ってくれた。
その話を聞いて「おばあちゃんはHさんのお気に入りだったからね」などと
家族で祖母をからかったりした(なんかヒドイ家族だorz)
その夜。
祖母の夢の中にHさんが出てきて、無言で祖母を手招きした。
抗い難い力に祖母はHさんの傍へと引き寄せられていった。
「……それでどうしたの?」
朝、そんな夢の話をする祖母に私が尋ねると、
「ぶん殴って逃げてきた」
と祖母は答えた。
もし、祖母に少しでも抵抗する気迫が欠けていたら……
祖母はHさんと一緒に逝ってしまっていたのかも知れない。