幽霊とかじゃないと思うけど、ほんのりと怖かった体験があるので書きます。
これは高校生のときに見た夢の話です。
なぜか私は夜の教室に居て、最前列にある窓際の席にぽつんと座っていました。
教室の電気は消してあったのですが、月明かりが異様に明るく、教室の様子がよく分かる状態でした。
私とは正反対の席、廊下側にある最後列の席には、一つの机を囲むようにして三人の女子生徒が立っており、楽しそうに話していました。
見覚えのない制服を着ていたので、知り合いではありません。
教室にいるのは、私とその三人の生徒だけでした。
私は彼女たちが話しているのをしばらく眺めていました。
ふと、彼女たちのすぐ傍にある教室の入り口が開いているのに気がつきました。
廊下の様子は真っ暗で全く見えません。
いつの間にかその闇を背にして、黒いセーラー服を着た女子生徒が立っていました。
髪はセミロングで、貞子みたいに顔面を覆うように髪の毛を垂らしていたか、顔全体が黒く塗りつぶされていたか、顔がよく見えませんでした。
すぐ近くにそんな不気味な生徒が立っているのに、三人の生徒は気づいていない様子で、相変わらず話し込んでいました。
私は直感的に『見てはいけないもの』なんだと思って、机に突っ伏し、何も見ないようにしました。
はやくどっか行け、はやくどっか行け。
ずっと心の中で唱えていました。
しばらくそうしていると、私の隣に何かが立ち止まる気配を感じました。
私はぎゅっと目をつむり、体を強張らせました。
すると、耳元に何かが近付いてくる感じがして、次の瞬間、
「こっち見てよ」
この世のものとは思えないおぞましい声に、叫び声を上げながら目を覚ましました。
右耳にその女子生徒の吐息の感覚が残っていました。
時刻は朝の5時30頃だったと思います。
カーテンの隙間から日光が射し込んでいました。
夢だったことにホッとしたのも束の間、部屋が暗く静かなことに気がつきました。
私は怖がりなので、部屋を暗くして眠ることができません。
いつも電気はつけっぱなしです。
また、無音の状態で眠ることもできないので、CDをかけっぱなしにしています。
なのに、私が起きたとき、電気は豆電球まで消えており、CDも止まっていました。
停電なのか何なのか。
とにかく、何か強烈な恨みを持っているような低い彼女の声は、今でも忘れることができません。