奇妙な話

【奇妙な話】赤い服を着た女性が見えた気がした

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高校生の頃。夏休み。
女っけのない青春時代をさ迷ってたけど、ひょんなことから奇跡的にも(エロ目線で)好意のある女友達宅に遊びに行くことになりました。

773: 本当にあった怖い名無し 2016/04/17(日) 21:15:47.54 ID:iW/7K9AD0.net

高校生の頃。夏休み。
 
女っけのない青春時代をさ迷ってたけど、ひょんなことから奇跡的にも(エロ目線で)好意のある女友達宅に遊びに行くことになりました。
 
男友達1人と自分とで、夕方から親不在のその女友達の家にお邪魔して、3人で酒を飲みながら(今となっては時効だと思うのよ)ダラダラと銀杏BOYZの解散ライブのDVDとか観てたんです。
 
そのうち、男友達は「明日、バイトあるから帰るわ」と22時過ぎくらいに帰ってって。
部屋に残るは、自分と女子。少なからず(エロ目線で)好意を持ってる女子とふたりきり!
 
「じゃあ、そろそろお開きにしよっか?」
と言われるのだけれど、食い下がって、何となく言い訳こねて、
「もう、、、じゃあ今日、親いないから、、、泊まってく?」的な。
あわよくば、あわよくならないかなー、と思っておりましたが。
そーは問屋が卸さないのね。
 
貞操観念が健全なその子は「気をつけて帰ってね」って。
なんか上手いこと帰らせる方向に持っていかれてて。
あの子はそーいうところがステキだったんだなぁ。

 

774: 本当にあった怖い名無し 2016/04/17(日) 21:24:55.03 ID:iW/7K9AD0.net

そんなことはいいんだけど、泣く泣く帰り支度をしたのが0時を回った頃。
その子の玄関を出て初めて知ったけど、かなり夜になると人通りが少ない所なんだ。
 
街頭もまばら。
民家は少なくないけどほぼ全て消灯。
物音すらほとんどしないの。
 
でも、酔いもかなり回ってたから平気。
怖さも感じず、自宅までフラフラと自転車をこぎ始めた。
 
夏の夜風に吹かれて、それが酔い醒ましにも丁度良くて。
気分も良くなってきて、夜空を見上げながらハスキングビーとか口ずさんでチャリ蛇行運転。
 
途中、羽束師川に架かる橋の上にさしかかって。
そこは歩行者用の歩道と二車線の車道があって。
夜中だから車も走ってないから、車道の真ん中をフラフラと視線をどこにやるともなくボンヤリ自転車こいでたの。

 

776: 本当にあった怖い名無し 2016/04/17(日) 21:35:08.97 ID:iW/7K9AD0.net

突然だった。視線を前方に目をやる。
自転車前輪すぐ先に、真っ赤な服を着た女の子がうずくまってた。
丈の長めな真っ赤なワンピースかな。
三角座りっぽい形で顔を下げてうずくまってた。

 

777: 本当にあった怖い名無し 2016/04/17(日) 21:42:19.40 ID:iW/7K9AD0.net

衝突。
「おわぁっ!」って叫んで自分はドンガラガッシャンと自転車から転倒。
なんとか受け身は取れた。
 
それよりも真っ赤な女の子にケガがないかが心配で、すぐに確認しようと起き上がったら。
その真っ赤な女の子。
なんてこたぁない。
赤い三角コーン。
あの工事現場とかにある赤い三角垂のコーン。
それが自転車に倒される形で1つ、横たわってた。
ただの見間違い。
「…なーんだよぉ…。びっくりしたわぁ…」
ほっと安心。

 

778: 本当にあった怖い名無し 2016/04/17(日) 21:46:29.56 ID:iW/7K9AD0.net

でも、なんか。
でも、なんかおかしい。
 
なんで車道の真ん中に三角コーンが1個だけ立ってんの。
橋を見渡しても工事をしてる様子は全くない。
 
後ろを振り返っても、橋の先を見ても工事作業してそうな場所もなく、転がってきた感じもない。
なぜか、橋の車道の真ん中に1個だけ真っ赤な三角コーン。
 
イタズラかな。
 
「誰だよこんなところに!」
そのときは怖さよりも、転倒の痛みがだんだんジンジン来だして何かムカついてきた。
 
起こした自転車を押しながら「こんなところに、こんなん置いたら危ないでしょーが!」
とか言いながらドス!ドス!と三角コーンを蹴りながら歩道まで。
 
向こうの方から車のヘッドライトがゆっくり近付いてくる。
「ほーら、言わんこっちゃない。車と接触でもしたら事故になるよ」
 
最後にドスっ!と一蹴りかまして、歩道の隅まで三角コーンを撤去させた。
車は橋にさしかかると、何か知らないけど急にスピードを上げてブーーン!って走り去って行った。
変なの。
 
また、自転車をこぎ出す。
肘を擦りむいたみたい。
あーあ。
もうブラブラせずに早く帰ろう。
 
家に着いた。無事にね。
シャワー浴びようかな、とも思ったけど何か疲れたから、もう寝てしまおうと布団に入った。
 
ケータイ電話が鳴った。
誰だろう。
「あ…」
 
なんということでしょう。
さっきまで一緒に飲んでたあの子からです。
 
少なからず(エロい)好意を抱いてるあの子からお電話です。
もしかしたら「ほんとに帰っちゃうなんてヒドイ!
ほんとは泊まって行ってほしか」的な。ことを。言われる。かも。
と、ウキウキを抑えて平静を装って電話に出た。

 

780: 本当にあった怖い名無し 2016/04/17(日) 21:49:30.33 ID:iW/7K9AD0.net

結論、電話越しのその子の言葉が今も忘れられない。
 
「あ、もしもし!◯◯くん、もう家に着いた!?
ねぇねぇ、大丈夫だった!?
え!?何がって、私んちの近くの羽束師川、通って帰ったでしょ!?大丈夫だった!?
何がって、何も見なかったの!?
 
…そっか。なら良かったかも…。
 
なんかね、うちのお兄ちゃんが残業でさっき帰って来たんだけど、車で羽束師川の橋、渡るときに凄いの見ちゃったんだって。
えっと、なんていうか…お兄ちゃんも通りすぎざまに見ただけだからよくは分からなかったらしいんだけど…
橋の上でね、若い男の人が
 
赤いワンピースを着た女の子を、ゴン!ゴン!って何度も何度も蹴っ飛ばしてたんだって…
◯◯くん、大丈夫だった?見なかった?」

 

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