10年ぐらい前にあった話。
当時、俺は高校生でフルタの食玩で世界の軍艦シリーズを集めていた。
それで余ってしまったおまけを小学生だった弟にあげていた。
弟は俺に似て船好きなのか気に入ってくれていくつかはお風呂に浮かべて遊んだりしていた。
そんな俺と家族は旅行でサイパンに行ってきた。
特に昼間は変な体験もせず夜のこと。
レストランで俺たち家族は食事をしていたんだが、弟がその時から様子がおかしい。
なぜかしきりにニコニコしてうんうん頷いている。そのうちに植え込みのあたりで中を見てボーッとしたり相づちをうちだした。
さすがに心配になって親が弟にどうしたのか聞いてみたんだが、帰ってきた返事は「おっちゃんとテレビの話しとる」。
気味が悪いのでさっさと食事を終えてホテルに帰ることにした。ホテルに帰った後、弟は特に見えない誰かと話すそぶりはなかった。
日本に帰ったあと、荷物を片付けているときに例の食玩が見あたらない。弟になくしたのかと聞いてみると「おっちゃんにあげた」という。
その「おっちゃん」とやらの特徴を聞いてみると緑の服を着てて、しかめ面で、物凄く大声で、かなり笑い上戸だったそうだ。
なんであげてしまったのか聞いてみたところ、「おっちゃん」に食玩を見せたら辛そうな顔をしてジッと弟の顔を見て「おっちゃんにくれないか?」と二回も言われたらしい。
それで可哀想だし、格好悪くてあんまり好きじゃない船だからあげてしまったそうだ。
あげてしまった船は航空母艦加賀だった。
そんな俺たち二人は今でも軍艦の模型つくったりしながら、口には出さないけどおっちゃんの正体についてたぶん共通の見解を持っている。
>>75
切ない話だな…
おもちゃの戦艦に乗って、靖国に帰ってこれたかな
>>75
うぅ(´;ω;`)
ちなみに当時の俺はまさかなかーと思いつつ、おっさんの正体を想像
弟は最近、俺に触発されて某ブラウザゲームをやり歴史の勉強を熱心にやった結果、おっさんの正体に薄々気付き始めたというところ
いずれ弟がウィキペディアとかで顔写真を見るだろうから、その時に正体がはっきりするかもね