自分たちで飯盒炊爨してテント立ててその中で寝てっていうのを2泊3日した
そんで2日目の夜、レクリエーションで先生たち主催の肝試しをやることになった
二人一組のペアを作って決められたルートを
周ることになったんだけど
出発前に生活指導の先生が怖い話をする
「その昔ここでは戦争の避難場所とか隠れ場所に利用されてて、でも結局見つかったり空襲でほとんど人が死んでしまったんだ。だから肝試し中に死んだ人たちの霊が出るかもしれない。」みたいなことを話し終わった後に
斜め後ろの茂みのほうから「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」って叫び声が聞こえた。
それ聞いて泣き出す女の子とか行きたくないっていう子が続出した
でもそれでも、肝試しをやりたいっていう人たちもいて、やりたい人たちはやることになった。
肝試しのルールは
懐中電灯は持ち込みダメ
途中案内役の先生が立ってるからそれに従って周ってくれ
ペアの手を離さないこと
だった。
でもやっぱりズルするやつはいるんだよね。
懐中電灯の持ち込みね。俺もやったよ。
ペアの子は特別学級の女の子。ただ軽度だったから会話はできる。
ただ騒音とか人混みは苦手で時々うるさすぎると叫び声を上げるみたいな感じ。見た目は普通の子。
でもやっぱり不安だったからっていうのもあるし女の子を安心させるために、案内役の先生にばれないように懐中電灯を着けたり消したりを繰り返して周った。
途中茂みの中に帽子をかぶった子が体育座りで俯いてるのを見つけた。服装はのび太みたいな感じ。
暗闇にも目は慣れてきてて懐中電灯なしで見つけたんだけど、「こいつここでなにしてんだ?もしかして脅かそうとしてるのか?」なんて思いつつ、隠れてるのバレてることを知らせようと懐中電灯でその茂みを照らしたら
なにもなかった。
見つけて懐中電灯つけるまで体感時間で2秒くらい。隠れるにも茂みだからガサガサ言うはずだし、そんな早くに隠れられるかなーと思いつつ先を行こうとした。
そうしたらペアの女の子がいきなり
「アアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」って叫び出して地面に倒れてうずくまった。
俺怖すぎて、逃げちゃったんだ。
女の子暗闇に置いて逃げるなんて最低なのは分かってる。ごめん。
とりあえず逃げてその先のルードにいた案内役の先生見つけて「女の子が!ペアの、女の子が」しか伝えられなかった。人間パニックになると言葉がでてこないというのを実感したわ。
案内役の先生が「見に行くからお前もいっしょに来い」っていうから現場までついてった。
女の子はいなかった。探したけどいなかった。
誘拐とか行方不明事件に発展したかもしれないっていって先生といっしょにスタート地点まで戻って待機してる先生に報告した。
そしたら先生たちで大捜索みたいになった。
肝試しも中止。俺は自分が目を離して逃げたからだって自責にかられて震えてたわ。
30分くらいたっても肝試しのルートにいない
もんだから、こりゃやばいってことになった。とりあえず就寝時間だから生徒は先に寝ててくれってことになったんだけど、女子のテントの方から「いました!」っていう声が聞こえて、見に行ったらその子が体育座りでテント入り口の方向いて座ってた。
どうやって戻ったのかとかは分かってない。
その女の子は俺と一緒に肝試し行った記憶すらないらしい。