怖い話かどうかは解りませんが僕が7年程前に体験した実話です。
店長としての経験も浅く、人の考え方や年齢の違いに四苦八苦。
自分が関西人ということが武器になったり、それゆえ言葉がきつく受け取られたりで
いろいろなことに気付かされていた。
店の移動が決まり、前の店長からお店を引き継いで、
店の問題点をリストアップし、問題改善を頑張っていたんだけど、
まず人欠をどうにかしなければならなかった。
求人採用でその時の応募いただいた数名から2名を選ぶ
一人は整備工場勤務のヤスくん
もう一人は英語堪能なパート希望のタキさん
二名とも閉店の5時まで働くことができると条件もよく、採用。
ファミレスの店長って結局は教育力なんだろうな
しっかり教えてできるようにする。そこに自分のビジョンが加わると尚良い。
二名の新人従業員をできるようにするために毎日明け方まで従業員教育を頑張る。
それはもうヘロヘロになるまでがんばる。
人を育てながら、お店の問題をどんどん解決。
リストアップしていた部分も九割は解消されて、
プライベートを楽しめるようになっていた。
近くの漫画喫茶で従業員と仲良くなり、
ダーツマシンで盛り上がり、ダーツ大会。
客も従業員もマイダーツを入手して、
仕事が早く上がれる日や休み前日などは遅くまで仲間とダーツをしていた。
お店もまぁまぁ順調。
ただ、タキさんからの告白で 何かが変わった
タ「店長今彼女いるんですか?」
僕「いやぁ、、いないよ~」
タ「私ってどうですか?」
僕「えー??九つ年上だし、付き合ったとしても話あわんでしょww」
やんわりと断る
タ「そんなことないですよ!若く見えるって言われるし!」
僕「まぁまぁ。今はダーツ楽しすぎてそういうの考えてないんですw」
なんだ、俺に好意があったのか!?
そしてちょっとめんどくさい・・・ うまく躱し続けよう。そうしよう。
しかし、次の出勤の時より一層面倒くさい事になっていた。
変に冷やかされる
「あの子若く見えるしいいんじゃない?」
「付き合っちゃえばww」
といっためんどくさい類。
全く好きでもないし好きにもなれないので本人のアプローチも日々断り続ける。
プレゼント攻撃が始まる。
店長デスクにロウソクが置いてある。
俺「なにこれ?」
タ「手作りです!もらってください」
店長デスクに紙袋が置いてある。開けるとマフラー。
俺「なにこれ?」
タ「寒いと思って・・・もらってください」
興味もわかないのであくまでビジネスライクに接する。
振り続ける。
そのあたりからタキさんの素行が悪くなっていった。
一緒に働いている従業員にも迷惑をかける。
残飯をつまみ食いしたり、飲み残しも飲んだりと 異常な行為も。
ヤスくんがたまりかねて
「あの人やばいっすよ もう一緒に入りたくないっす」
そんな声があちらこちらから。
タキさん含めて個人個人に話を聞いたが 当のタキさんは
振り続ける僕の話など聞く耳なし。
結局従業員多数の反感と店長の言うことも聞かない従業員は
お店の利益にもならないので タキさんがクレームを出したタイミングで
退職してもらうように仕向けた。
ここから色々な異常が起き始めたんです。前置き長くて誠に申し訳ありません。
「 」
挨拶もないので振り向く。誰もいない。 おかしいな・・・?
自分だけなら、気のせいで済んだ事。
「店長、最近キッチンの入口、人の気配しないですか?」
高校生の男の子が話をふってくる。
俺「!」 「お前も!?やっぱり・・・するよなぁ??俺だけじゃなかったか・・」
その日以来調理場入り口の気配は共通認識に。
とはいえ、まだ茶化してはしゃげるような内容。
ある日店舗清掃で上長への報告も兼ねて調理場入口の
清掃前後で写メを取り報告。 霊感も何もないので、
当時やっていたmixiに この写真から何か感じる人いる?
と清掃前後二枚の入口の写真を貼り付けた。
これ写ってるよ とコメントをつけたのは 元カノだった
ダーツで知り合った元カノに電話
元「おー!久しぶり!ちょっと今度ご飯行こうよ。そこで話すよ」
携帯にはその写真が入っていたので、飯の時に答え合わせするか。
・・・会う口実にされたのか??元々こういう話が胡散臭く思っていたので、
話半分に聞いて、余り深くかかわらないつもりでその日を迎えた。
待ち合わせのお店には元カノの方が先に着いていた
禁煙席にいる とのメールで そこに向かう。
遠目に俺を見た元カノの表情が少し歪む。
元「あんた、なに乗せてんの?? ちょっとそれは・・・」
俺「は?何言ってんの?」
席に着きながら会話は続く
元「最近体調とかはどう??」
俺「うーん、風邪気味かな??」
俺「それ!その話を聞きたかった」
携帯を開いて例の写メを見せる
元「ここにこういうふうに顔が。」
俺「あーよくある心霊写真のパターンね。たまたま人の顔のようになってるんでしょ。」
そう言いながら見て青ざめた。
タキさんの顔の上半分。厳密に言うと前髪、目、鼻筋
告白してきた女性の。知っているカタチ
俺「知ってる・・・人だけど、なんで?この人生きてるよ」
元「生き霊って聞いたことある?そういうやつ」
「この人と何かあったでしょ?」
事の顛末を話す。
元「あ~。これは相手が生きているだけに私はどうすることもできないな・・・」
俺「いや、あんたいつの間に霊能者になってんねん」
そんなやり取り。でも、元カノは結構霊感強く
オーラの色が見えたり、気を感じたりできていたらしい。
僕が元カノにアタックされたのもそう言う部分らしく、
オーラに惹かれた。 とのこと。
アニメやドラマのような展開だな・・・
ぼーっと考えながら飯を食う。
タキさんが俺のことを好きだった気持ちがへばりついている。
それを従業員同士で茶化してネタにしているから
好意の対象だった俺に悪さをしているようだった。
元カノが提示できる解決策は、
タキさんの生霊に気持ちを馬鹿にしたことを謝る事
調理場の入口に盛塩をして人の出入りの時に散らせてもらう事だった。
これもある種改善行動だな。と思い、出勤時、調理場に盛塩
とはいえ、話題のネタとしたら一級品なので従業員に写メを見せ
「うわぁ~~!!」「ほんとにタキさんだ~~!」
とまだまだ茶化してしまうガキな店長。
そして風邪気味は治らない。