ちょっと長いけど書いてみる。
オカルトだと思うけど、幽霊ではなく多分生きた人間の話。
ちょっと長いけど書いてみる。
オカルトだと思うけど、幽霊ではなく多分生きた人間の話。
十年以上前の俺が20か21くらいの時のこと。
夜の十一時くらいに友達二人(俺、A、B)と飲みに行こうという話になったんだ。
行きつけの居酒屋に俺の車で行ったけど満員で入れなかった。
他に二、三軒知っていたけど、その時は友達の悩みを聞くという趣旨だったから個室がよかったのだが、
他は個室がない居酒屋だったんでどうしようかと思っていたらBが「○○山の駐車場でいいんじゃね」と言うのでそうしようということになりコンビニで酒とつまみを買って○○山に向かったんだ。
ちょっと◯◯山の説明を。
○○山というのは地元にある山で高さ350m程度で山肌が全て木で覆われた山だ。頂上付近まで車で行けて、頂上には神社もある。地元では有名で初詣の時期は割と賑わうのだが、それ以外はたまにあるイベント以外では閑散としている。
当時は確か秋でしかも深夜だったから誰もいなかった。
で、話を戻すと、俺たちは車で山を上ってメイン駐車場に入ったんだけど軽自動車が一台端っこに止まってた。
なんか気持ち悪いってなって別の駐車場に行ったんだ。そっちの駐車場は本来は一般向けじゃなくて近くにあるお土産物やとか、管理事務所?の人達用の駐車場なのだが住み込みの人はいないらしく夜は使われいない。行った時も車は一台も無かった。
駐車場は片側はお土産屋とかの建物裏側で、それ以外の面は入り口以外は森に面いる。
俺たちはそこにお土産屋とは反対側の森に面したところに森を背にして車を止めて、後ろの座席で飲み始めた。
Aの悩みを聞くことはつまらんからそうそうに打ち切り、途中からいつもの女の話やエロトークで盛り上がった。
それで、確か2時を少し回ったくらいだったと思うけど、Bがトイレに行くといい車を出た。
少ししてBが戻って来ると外でなんか変な音がすると言うんで、俺とAも車から出てみたら確かにカーン、カーンて何かを打つ音が聞こえる。しかも音は後ろの森から聞こえた。
>>784 のつづき
改行が微妙だった。次は気をつける。
俺たちは酔っていたこともあって見に行こうということになって、
車にあった懐中電灯を持ってその駐車場の端っこから森に入ったんだ
(端っこに森に降りられる階段があった)。
音は割とはっきりと聞こえていたから、足元に注意しながら発信源を目指した。
といっても徒歩で10分も掛からないで近くまで行けた。
20mくらいに先に人のシルエットが見えて木に向かって何かを叩きつけていて、
思わず足元にを照らしていたライトをそれに向けると白装束を着た女がこちらを振り返った。
その時の表情は今も忘れない。正に鬼の形相だった。
薄い板みたいな何かを咥えていて、手には金槌を持っていた。木槌かも。
ライトに照らされ女はキェーみたいな奇声を上げた。
何か喋ったようにも聞こえたけど、何か咥えてたからよくわからんかった。
俺たちは怖くなって特に合図もなかったと思うけどみんなでダッシュで車に戻って
ホイルスピンさせる勢いで車を出した。
飲酒運転だが許せ。代行呼んでる余裕は無かった。
途中バックミラーを見たら車を止めていた駐車場にあの女が現れた。
追ってきていたのかと思うとゾッとしてさらに飛ばして山を降りた。
それでそのまま車を走らせ途中のよく行くイオン(当時はジャスコだったが)の屋上駐車場に車を止めた。
そこに止めたのはなんとなく直感的なもので、入口が限られるから追ってきて
ればすくにわかるのと出入口が二つあるから逆から逃げられると思ったから。
出入口が両方見えるところでやっと一息ついて、俺が「あれなんだよ」って
いったらAが「丑の刻参りってやつじゃね」と答えてくれた。
その時はそれ以上なにもする気になれずに解散した。
家に返って、風呂も入らずに三時くらいに布団に入ったけど、鬼の形相が忘れられずに四時過ぎまでうだうだしてた。
そしたら廊下を誰かが歩く音がしたからあの女かと思って超ビビリながらそーと部屋の
ドアを開けて廊下を見たらばあちゃんが起きてきた所だった。老人の朝は早い。
家に起きてる人間がいると思うとなんか安心して寝た。
>>785 のつづき
結局十時くらいまで寝てて、起きて居間にいったらいつもどおり婆ちゃんが鎮座してた。
うちの両親は共働きだから、大抵この時間は婆ちゃんしかいない。
ちなみに俺は婆ちゃん子で婆ちゃんとは仲がいい。
というかほぼ婆ちゃんに育てられたと思ってる。
で、婆ちゃんが茶を飲みながら見てたテレビを俺も一緒に見始めたけど、
昨日のことが頭を離れない。
そしたら婆ちゃんが「顔色が悪いねぇ。体調でも悪いんか?」って言ってきた。
さすが婆ちゃん、親より俺がわかってる。
別に婆ちゃんに話すつもりは無かったけど、聞かれたから昨日というか夜
あったことを話そのまま話した。
その後の婆ちゃんとの会話
俺「~ってことがあったんだ」(昨日の夜の説明をした)
婆ちゃん「ふぇっふぇっふぇ。今でも牛時参りする者がおるんか」
(多分「丑の刻参り」だと思うが婆ちゃんは「牛時参り(うしどきまいり)」って言ってた)
大笑いしながらで結構以外な反応だったから、詳しく聞いてみた。
俺「今でもって、昔からあんの」
その時のセリフ形式にしようと思ったが、そもそも二時間くらい話した内容なので、要点だけにする。
・頂上にある神社にいる神様は女の神様で悪い神様では無いが、とても嫉妬深いと言われている。
・だから、夫婦や恋人同士で参拝してはいけない(別れることになるらしい)
・その話を変な解釈した人が、そこで男に対して牛時参りをすると呪いが成功すると信じられるようになった。
(婆ちゃんも子供の頃は信じていたらしい)
・結果、牛時参りのメッカとなる。
ってことらしい。
でも昔の話で婆ちゃんが子供の頃って言ってたから、今だともう80年くらい前の話だ。
婆ちゃんからすると、昔はよくあった話らしく割りと簡単に信じてもらえた。
>>786 の続き(最後)
追いかけられた話もしたが、婆ちゃんは軽く「怒ったんじゃろ」って。
「何で」って聞いたら「牛時参りは誰にも見られずに、七晩続けなきゃならん。
途中で見られるとやり直しじゃ。お前が見たのは七晩目とかだったんじゃなかか。
だから怒ったんじゃろ」
って軽く言われた。見ても平気なものなのか、変わりに呪われたりしないのか聞いたが、婆ちゃんはわしも昔見たがまだ生きとる(この時83才くらい)って言われた。
そもそも呪いが成功した話も聞いたことがないから、そもそもインチキだとも言ってた。
婆ちゃんの話を聞いてちょっと安心したけど、今でもあの鬼の形相が忘れられない。
追ってきた女に掴まってたらどうなっていたのかも考えたくないが、
どうするつもりだったんだろうか。
終わり。なんか文章にするとあんまり怖くないね。
俺的にはトラウマになるくらい怖い思いでなんだが。
翌日にその場に友達ともう一度いったが、そっちは対しておもしろくないから、希望があれば書く。