ただ事実のみを書きます。
ある夜、○○工場内(九州内にあります)で作業中、どうにも同僚Sの様子が
おかしいことに気付きました。
Sは仕事中だというのに、ある一点を睨み付け、小さな声でなにか呟いているのです。
不思議に思い近づくと、Sの声が微かに聞こえてきました。
「アケミくるな。アケミくるな。アケミくるな。」
彼はひたすらそう呟いていました。
当時○川には霊感が強いドライバーが二人いました。
SとAです。
Aは、生まれつき霊が見えるとのことで、よくなにもない空間を指さしては、
あそこに青いお婆さんがいる、などと言っておりました。
Aは霊に対してある程度の経験といいますか、耐性があるらしく
Aの言うことには、霊には大丈夫なやつと、ヤバイやつとの二種類があるそうで
なんでも大丈夫なやつはまったく持って生者に感心を持たずに、ただ決まった場所にいるだけとか。
そういうのは大抵が何日もすればいなくなるそうで、まったく無害なのだそうです。
Aいわく、人に興味を持たないのは大丈夫らしいのです。
対してヤバイやつは、いつもこちら側、つまり生者を執拗に見ているらしいのです。
普段私たちの周りにもいるようで、その存在を知っているそぶりを見せるとつきまとい、
時には命にかかわる問題を起こすそうです。
ですので、必ず見えないフリをして近寄らないようにしなくてはいないそうなのです。
Sが霊の存在を感じるようになったのは、つい一年ほど前からなのです。
彼はそれまではまったく霊の存在を感じた事などなかったそうです。
きっかけは信じられない話ですが、ある遊園地(これも九州です)のお化け屋敷に入り、
出たあと急に見えるようになったというのです。
Sいわく最初は霊だとは思わず、お化け屋敷からでると、突然遊園地に顔つきの暗い人が
増えたので不思議だったのこと。
Sには、Aのようにヤバイやつと大丈夫なやつとを区別することはできませんでした。
話を戻します。
呟くSの様子を見て、僕は心配になり、どうした? と声をかけました。
Sは返事をせずただ必死に呟いています。
「アケミくるな。アケミくるな。アケミくるな」
ただならぬSの様子に霊絡みのことが起きているだと思った僕は、Aに報告しにいきました。
AはSを見るなり言いました。
とてもヤバいやつとSが見つめあっている と。
僕にはなにも見えません出したが、どうにも薄笑いを浮かべた不気味な女がSの傍で
彼をじっと睨んでいるのだそうです。
Aは言いました。ああいうのは絶対に目を合わせたらいけない。気がついてないフリをしないと。
今日はSに近寄らないほうが良い、と。
そういうと事務所から塩を持ってきて自分と僕に振りかけました。
Sはときおり首を振ったり、泣きそうな顔になったりしていました。
その様子はまるで、誰かにお願いごとをしているようでした。
その日退社時、僕の車のキーが無くなっていました。
困った僕がどうしようかと考えていると、背後からSが声をかけてきました。
「家まで送るよ」
Sの顔は真っ青でした。微笑んでいるものの、目がやけに真剣で僕は怖くりました。
Aの言葉が浮かび、僕は断りましたがSは頑なに送ると言い張ります。
その抵抗し難い迫力に押されてとうとうなし崩し的に僕は受け入れていました。
しかし、駐車場に止めてあるSの車の前に立ったとき得も知れぬ嫌な予感を感じたのです。
絶対に車には、乗ってはいけない。そう直感しました。
僕は必死になってSを説得しました。今日は事務所に泊まるから良い。
しかしSは納得しません。次第に声が荒くなります。そうこうするうちにAが通りかかりました。
事情を知ったAは自分が僕を送るとSにいいました。
Sは一変して、しおらしく頼むから送らせてくれていいましたが、僕は断ってAの車に乗り込みました。
Aの車が発進し、遠ざかるのをSはただみていました。
車内で僕はAに礼を述べました。
Aは真面目な顔をしていいました。
途中からいなくなったから、お前が気付かないと諦めたんだと思ったんだが、
さっき、Sの車の助手席に座ってお前をじっとみてたんだよ。
あのまま乗ってたら多分お前の家までついてきてたぞ。
ただ、Sは危ないな。完全に目をつけられてる。あいつからしばらく離れたほうがいいぞ。
だけど翌日Sは会社を無断欠勤しました。
そのまま1週間経っても来ない彼を心配して上司が見に行きましたが、
彼は家にいませんでした。家族の話では1週間前から家に帰っていないらしいのです。
とうとう1ヶ月がすぎても彼は帰って来ませんでした。
会社はSを解雇し、家族が捜索届けを出したと聞いたのですが、その後Sがどうなったのか
僕にはわかりません。
ただ、町でSの車に似た車を見るとつい隠れてしまうのです。
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