法事がてら彼女つれて実家に近い静岡の某温泉地へ行った。
引用元: ・ほんのりと怖い話スレ その79
法事がてら彼女つれて実家に近い静岡の某温泉地へ行った。
ほぼ飛び込みで宿を決め夕飯朝食ついて26000円。
ネットも通してないし飛び込みだとこんなもんかね?って部屋へ通してもらったら
大きな部屋で驚いた。
リビングエリアで12畳、襖で区切って寝室が別に8畳はある。
部屋風呂も檜造りの立派な奴。これは安いね~。
部屋は古めかしいけど何か威厳あるってか立派な部屋だねっつって早速大浴場でのんびり。
夜になって晩飯。
部屋食頼むとすっげー豪華。
新鮮な魚介に何とか牛の鉄板焼きにお酒も何本かついてここいいんじゃない?
絶対穴場だよ、大成功だねって2人で宴会。
酔っ払ってから部屋風呂2人できゃっきゃうふふ。
襖の奥の寝室に移って並んだ布団に2人並んで電気消して静岡の深夜テレビを見ていた。
そのうちに彼女が寝息を立てだし、俺もまどろみながらテレビを見て、
いつの間にか寝入ってた。
多分真夜中。
障子を通した月の薄明かりだけで辺りはほぼ闇。
あれ?テレビはスリープにしてたわけでもないのにいつの間にか消えてる。
彼女が消したのかな?
今何時?って携帯で時間見ようと手探りで枕元を探した。
すると何か音がする。
ふーっふーっって荒い息遣いのような音。
彼女変ないびきしてるななんて思いながら携帯発見。
時間を確認すると2時少し過ぎ。
まだ寝れるななんて思いながら画面のあかりで彼女の顔を見ると彼女は起きていた。
携帯の明かりでかすかに見える彼女の顔。
目を見開いて歯をむいて笑っている。
さっきの荒い息遣いは剥いた歯の間から漏れる彼女の息の音だった。
え?え?って俺パニックになりながら彼女に大丈夫?どうしたの?
って起こそうとすると彼女が顔をこちらに向けたまま何かを指差した。
首だけゆっくりそっちへ向けて見るといつの間にか襖が開け放ってある。
奥のリビング側はさらに真っ暗。
そして彼女の指差した先に携帯を向けると鴨居から首吊りの輪っかを作った浴衣の帯らしきものががぶら下がっていた。
え?え?何これ?
どういうこと?
もう俺は頭の中で今起こってることを処理できずにパニック。
身動きも出来ない。
彼女は相変わらず目をぎらぎらさせて満面の笑み。
そして口だけ動かして何か言い出した。
小さな声で。
使え使え使え使え使え使え使え使え使えって。
オカルトは好きだけど怖がりな俺はもう脳が状況を処理できませんとばかりに昏倒。
そこから先の記憶はない。
飛び起きた。
うわああああ・・・・夢だった、って。ちょー怖かった。
リアルだし何だよこれみたいな。
でも襖は閉じきってあるし変な帯も下がってないしテレビも点けっぱなしだったし
やっぱ夢か良かった、と。
彼女は・・・寝入ってる。
でも何か顔グチャグチャ。
取り合えず起こそうと彼女を揺すった。
するとビクっと体揺らせて起きた彼女、恐れと不信の入り混じったような顔で俺を伺っている。
どうしたの?大丈夫?って言うと恐る恐る話し出した。
昨日の夜とても怖くて不思議な夢を見た、と。
夜中にふと目が覚めると俺が布団にいない。
枕もとのデスクランプを点けると暗い部屋の中で鴨居に帯をかけていて、
まるで首をような吊る準備をしてたと。
彼女驚いて何してるの?って声をかけたら振り向いた俺が満面の笑みでほら、
準備 出来たよ、これを使いなって言ったんだと。
彼女の夢はここまで。
その話を聞いて飛び上がるほど驚いた。
でもあえて俺の夢の話は彼女へは伝えなかった。
何らかの呪い的なものを受けたような気が確実になると思って。
怖い夢見たんだね、よしよし、大丈夫大丈夫っつって慰めて取り合えず朝食行こうか、
って部屋を後にした。
二人ともあまり朝飯に手をつけないまま食堂を後に、途中レセプションカウンターで、
すみません、僕らが泊まってる部屋って首吊りとかあった部屋ですか?
って仲居さんの一人に確認した。
勿論言葉を濁されたけど、チェックアウトの時何故か宿泊代が6000円引かれて安くなっていた。
以上です。
長文規制で細かい部分を端折ってしまいましたが概ね実話です。
某温泉地○○○の○○の間にお泊りの際は皆様ご注意を。。。
部屋は素敵だし料理も豪華で美味ですが、無理心中する可能性もございます。。。