怖い話

【怖い話】高校の近くにある工場に幽霊が出るという噂があったんだが

469: 門の中の1/4 ◆BxZntdZHxQ 2007/11/07(水) 14:18:49 ID:zBtiX6aE0
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十年と少し前か、俺は家から駅4つばかり離れた高校に通っていた。
当時は祖父の家もその近くにあったが、祖父が亡くなってからは、
駅まで行くことはあっても、学校の側までは行っていなかった。
先日、その祖父の法事の際に、俺とは別の学校だが、やはり付近の
高校に通っている従妹に会い、彼女からこんな話を聞いた。

 


引用元: 死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?181

469: 門の中の1/4 ◆BxZntdZHxQ 2007/11/07(水) 14:18:49 ID:zBtiX6aE0
十年と少し前か、俺は家から駅4つばかり離れた高校に通っていた。
当時は祖父の家もその近くにあったが、祖父が亡くなってからは、
駅まで行くことはあっても、学校の側までは行っていなかった。
先日、その祖父の法事の際に、俺とは別の学校だが、やはり付近の
高校に通っている従妹に会い、彼女からこんな話を聞いた。

新しく出来たある販売店の裏口に、霊が出るらしい。
いわく、バイトをしている先輩が見た、誰某の兄弟が見た、etc.

懐かしいなぁと思った。俺が行っていた学校でも、そんな噂があった。
あったどころか、俺はそういう場所に行ったことさえあった。
法事の後の食事会が捌け、彼女の兄で俺の従弟が運転する車の中、
俺は彼女にその時の話をすることになった。

俺は美術部に入っていて、周りは女ばかりだった。
だからと言って、色っぽい話などこれっぽっちもない。
俺や数少ない男子部員は、女連中にいいように使われていた。
その女子の中に、リナさんと言う2つ上の先輩がいた。
美人と言う程では無いが、ちょっと雰囲気のある人で、
押しの強い先輩たちの中では、一歩引いている感じがした。

文化祭があって、翌日は後片付けで学校は半日だった。
用が済んで帰ろうとする頃、1コ上の部長に声をかけられた。
「夕方、ヒマ?」
はぁ、とはっきりしない返事をしたら、人数に入れられてしまった。
打ち上げを兼ねて、噂の心霊スポットに行こうと言う。
そんな打ち上げがあるか、と思ったが、俺に拒否権はない。

 

470: 門の中の2/4 ◆BxZntdZHxQ 2007/11/07(水) 14:19:38 ID:zBtiX6aE0
居酒屋で打ち上げをして、巡回中の教師に捕まる連中が多発していた。
だからある意味、美術部は健全だったのかも知れない。
全員ではなかったが、家が学校に近い7、8人が集まった。
行き先は、県道沿いの工場だと言う。

この辺は車の車体や部品の工場が多い所で、そこも工場だらけだった。
 学校からバスで十分弱の工場の、3つある出入り口のうち、西側の1つ。 
そこは夜では無く、日暮れ時に男の霊が出るらしい。
作業着姿の中年男性で、門の内側を少し入った所に立って、
建物の方をじいっと見ているのだと言う。
もしその時間に建物から出て来ると、男と目が合う事になり、
目が合うと原因不明の高熱が出るとか、追い掛けられると噂らしい。
実際、工場の門と、見えているシャッターは下ろされている。
昼間はトラックが出入りしているが、夕方になると早々に閉まるそうだ。
もっとも、この頃の日没時間は工場が終業する時間とどっこいな訳で、
俺には真偽の程は判らなかった。

8人ばかりがぞろぞろ心霊スポットに向かう、えらく間抜けな光景。
俺は半信半疑だが、そんなモンに追われたら嫌だな、なんて考えながら
リナさんの方を見た。
そう、リナさんもいたのだ。
リナさんも部長に押し切られたクチだろう。
3年は文化祭後で引退だから、最後のイベントだと思っていたのかも
知れないが。

 

472: 門の中の3/4 ◆BxZntdZHxQ 2007/11/07(水) 14:20:26 ID:zBtiX6aE0
正直に言うと、俺はリナさんにちょっと憧れていた。
当時俺がハマっていたアニメの話なんかをしても、知らないなりに
「これはこういうことなのよ」なんて知恵を付けてくれたりした。
無知な俺は彼女がオカルトが好きなんだと思っていたが、
今考えるとちょっと違ったのかも知れない。
こんな地味なリナさんの彼氏が、ヤンキーで知られたS先輩でなければ、
俺ももう少し積極的に彼女と関われたかも知れない。
 
陽が傾き始めて、辺りの空気が黄色っぽくなっていた。
みんなは思い思いに門の中を覗いていたが、男の姿なんかなかった。
誰とも無く「もう帰ろう」と言い始め、ホッとした俺もその尻馬に
乗った。
工場沿いの丁字路を県道側へ戻り始めてふと見ると、リナさんだけが
引き返さず、まだ工場の方を見ていた。
「先輩、何か見えるんスか?」
彼女の所まで言ってこっそり聞くと、リナさんは首を振った。
「あれは本当のヒトだよね?」
ちらりと目配せした彼女の視線の先を追うと、
工場の敷地内の駐車スペースの外れの木の下に、事務服姿の女がいた。
痩せて顔色の悪い女は、一心に何かを見つめている。
薄暗くなってきたとは言え、俺にもリナさんと全く同じ物が見えている。
幽霊では無いだろう。
ただ、女が見ている物を考えた時、俺は少し寒くなった。
女は、男の霊が立つと言う辺りを見ている。
「帰りましょう。」
俺はリナさんを促した。彼女は「うん」と応えたが、
歩きながら何度か振り返っていた様だった。

 

473: 門の中の4/4さいご ◆BxZntdZHxQ 2007/11/07(水) 14:21:17 ID:zBtiX6aE0
S先輩がバイクの事故で亡くなったと聞いたのは、年が明けてからだった。
3年はほとんど学校に来なくなっていた時期で、その頃には俺も、
リナさんとは疎遠になっていた。
夕方、横道から出てきた先輩のバイクがトラックに突っ込んで、
ほとんど即死だったらしい。
現場がどこか聞いて、俺は嫌な気持ちになった。
それは俺達が工場の裏へ向かった丁字路が、県道に抜けている部分だった。
俺はリナさんが先輩に何か話したのかも知れないと思ったが、
確認は出来無かった。
卒業式で最後に姿を見るまで、ふたつきばかりの間に、何回か廊下で
すれ違ったが、俺は小さく頭を下げるのが精一杯だった。
リナさんは関西の大学に進んだ筈だが、今どうしているのかも知らない。
冷たいようだが、確かめることが少し怖かった。

話は戻って、車は駅に向かい、県道に出た。
話を聞き終わりしゅんとしていた従妹は、不意に元気な声を上げた。
「ほら、あれ!あそこの搬入口に出るんだって!」
従妹の指し示す方角には、真新しい、大きな商業ビルが立っていた。
俺は軽い目眩がした。
そこは以前、部品工場があった場所だ。

ずっと黙っていた、俺とさして年の違わない兄の方が言った。
「俺の学校じゃ、女の霊が何かを睨んでるって話だったよ。」
俺と従妹は、ミラー越しに兄の顔を見た。

さっきファミレスのトイレ行ったらさwwwwwwwwwwwwww
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