47: 坊主カット 2008/02/12(火) 13:39:14 ID:MvJc4QEh0
山寺での修行中、僧侶たちの多くは変な体験をしたり・見たりするらしい。
その体験談もかなり薄気味悪いが、今日は別な話を書くとしよう。
その体験談もかなり薄気味悪いが、今日は別な話を書くとしよう。
わたしが子供の頃、近くの寺にひとりのお坊さんが住んでいた。子供好きで、話し上手。
檀家の誰もがこの坊さんのことを尊敬していた。人相は悪いが、そこにいるだけで
「ありがたい」と思えるような坊さんだった。
ある年の夏休みのことだ。近所の友だちと寺の境内で遊んでいると、
その坊さんがスイカを御馳走してくれた。坊さんと、わたしと、友だち3人で縁側に座り、
蝉の声を聞きながら他愛もない話しをしていた時、友だちのkが「幽霊って本当にいるの?」
なんて質問をした。
いるさ。 坊さんはあっさりそう答えた。
52: 坊主カット2 2008/02/12(火) 18:03:10 ID:MvJc4QEh0
そんなものいるハズないと声を張り上げるkとわたしに、坊さんは今夜泊まりに来るよう誘った。
両親に寺に泊まる許可をもらったわたしとkは、わくわくしながら夕飯を食べ、暗くなってから寺を訪ねた。
すると坊さんは麦茶を一杯飲ませてくれた後、わたしたちを本堂へ連れて行った。
これから夜の御勤め(読経)をするから、そこに正座して静かにしてなさい。
わたしたちは坊さんの後ろに並んで座り、嫌々ながら読経につき合わされるハメになった。
子供にとってそれは恐ろしく退屈で、足の痺れる苦痛な時間だった。だが悪ふざけをする訳にはいかない。この坊さん、
子供好きで優しいが、悪いことをすると容赦なく叱るのだ。それを身にしみて知っていた私達は、黙ってお経が終わるのを待つしかなかった。
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