怖い話

【ちょっと怖い話】登山こわっ

388: 本当にあった怖い名無し 2017/03/11(土) 13:52:55.37 ID:5lWKkVgy

大学1年のとき「ワンゲル」に入ったのよ。
で、夏休み前だったけど、1年坊4人で「表銀座」やったwwww
押し付けあったあげく、じゃんけんでリーダーと副を決めてさ。
負けたおれがリーダー、副が川村、お気楽2人が志野島に横田。
ま、順調に「西岳テント場」に着いて、お決まりのお楽しみ。
宴会ねww

 

 

そしたら、副の川村がイヤな話するのよ。
「ヘリとか、文明の利器の発達していなかった昭和の中ごろまでは、遭難死体は平らな
ガレ場に葬ったんだよなぁ。で、知らずに登山者がそこ泊まると出てくんだよ。死者が。
カチャカチャ、ガレかきわけてな」って。
西岳テント場って、もろ平らで、ザレ・ガレてんじゃん。
(あ~、ションベン行くのイヤだなぁ)とか、みんな考えてちょっと盛り下がりw
まぁ、その後盛り返して楽しくお開きになったんだけど、寝る前に片づけしてたら、遠くで
カチャ…カチャ…カタタ、カラ…カチャンって感じの音がする。
その夜は風がなく静か。
オコジョとかライチョウとかテンとかがいるっていうから、多分それがえさ探してる音。

でも、近づいてくる。
ザリッとかジャッって音が混じってもろ、足音。
それがテントの周りをグルグル回ってる。
もう、テンプレ。
全員がしばし硬直w
でも、冷静に考えればテント場に遅れて着く人もいる。
おれはやたらに怖がるのはバカらしいって思って、こっちからテントを引き開けてみた。
痩せ型で背の高い60をとっくに越えたくらいのジイサンだった。
ちょっと話したら、偶然、おれたちの大学のOB。
(なぁんだ)ってことで別れたんだが、そのジジイは東のほうに戻って行っちゃうんだよ。
ちょっと不思議だったけど、「西岳ヒュッテ」があるから、まぁ、そこに泊まるんだろう。

続く

 

464: 本当にあった怖い名無し 2017/03/21(火) 18:37:20.74 ID:ADx70YoJ
>>388>>448って同じ奴だよな
死んでまで迷惑をかけるOBだか仲間が何人もいて大変だねww

 

465: 本当にあった怖い名無し 2017/03/21(火) 18:42:38.77 ID:iNXFCc3g
>>464
そこらへんは創作技術だと思うので以下省略(表銀座はやったとは言わないけど)
ヒュッテ西岳のテン場は結構良い場所なので個人的お勧めです(強風時注意)

 

389: 本当にあった怖い名無し 2017/03/11(土) 13:53:26.50 ID:5lWKkVgy

次の日は、ものっすげえホワイトアウト!
まぁ、梅雨の真っ只中だからな。
時間待ちしてたら、昨日のOBジジイが「行かないのか?いいルートファインディング
だろ~が」って霧の中から声かけて先に行ったみたいだった。
まもなく、天候回復。
おれたちも出発!
でも、すぐにうっとおしい霧に追いつかれた。
おれは先頭だから気がつかなかったんだけど、しんがりの副の川村の前を歩いていた横田は
変な気がしていたそうだ。
霧の間に間にだれかがついて来る。
はじめは川村のかなり後ろ。
それが、東鎌尾根を越え、三連梯子手前あたりでは自分の横に並びかけてる。
人数を確かめても、すぐ後には川村、前は志野島、さらに先頭はちゃんとおれがいる。
(え?)って思って、真横を確認しようとしたとき、ぴとぉって感じでボロ雑巾みたいなモノが
後首にくっついたらしい。
くっさい、猛烈な腐臭!

猛然ダッシュした横田に、川村が気づいて止めようとしたけど振り飛ばされ、志野島はカウンターで
腹を蹴られて悶絶。
おれはとにかくしがみついた。
そしたらザックが変な感じではずれ、荒れ狂っていた横田はその拍子でズサーッって吹っ飛んだ。
もろ、三連梯子の持ち手のところにどてっ腹がブチ当たったんだけど、おかげで落ちなかった。
おれたちは全員、安堵で脱力。
そしたら、聞き覚えのある足音がして、OBジジイが通りかかった。
「なにやってんの?なっさけねえなぁ」
ジジイが横田を見て言った言葉はそれだけ!
すごく冷酷な気がして、おれたち全員がジジイの後姿にファック・サインを出したぜ。

横田はOBジジイの態度にくやしがって「大丈夫」って言ったけど、全員が下山で一致。
脾腹は内臓を傷めてるとやっかいだからな。
横田のために休憩を多くして、そろそろと下った。

続く

 

390: 本当にあった怖い名無し 2017/03/11(土) 13:57:30.98 ID:5lWKkVgy

途中で志野島が、横田にコーヒーわかして飲ませてやると言ったので、横田は喜んでいた。
けど、志野島は結果的に腕にかなりやけどをしたんだワ。
なにか、急激にヨロめくというか、避ける感じで火のついたコンロの上に手をついた。
はずみでコンロが倒れ、信じられないスピードで火が広がったんだ。
パァ~ッとウインドブレーカのそでが燃え上がり、志野島はとっさにハイマツの中に
転がって地面に広がった火を避けていた。
霧で水っぽく濡れていたハイマツのおかげだと思う。
おれは荷物を整理して、志野島に小さいアルミのフライパンを渡した。
やけどはいつまでも痛むから、それで冷やせってコト。
その時点で、さしあたって下山に必要ないものはその場に捨てて、おれと川村だけが荷重を
背負ったよ。

願望としては「大天井(おてんしょう)ヒュッテ」に転げ込みたかったんだけど、なぜか
今朝の西岳テント場に着いちまった。
(?????)でイヤな気がしたよ。
で、また川村が気の滅入ること言うんだ。
「あのOBジジイ、テント持ってなかったな。西岳ヒュッテは7月んなんないと開いてねぇワ!」
だれも返事しなかった。
バケモノ?とまでは思わなかったけど、「不吉なジジイ」と思ったのは確か!
もう、時間的にここで泊まりだ。
志野島はそれまでずっと無口だった。
やけどが痛いんだろうなぁって思ってたよ。
それがすげ~気味悪いことを言い出したんだ。
「帰ろう、下山しようぜ。見ちゃったワ。腐った首だった」
「そう、それっ、見た。すげえ臭えっっっ!!!!」
横田は大声出したんで脾腹に響いて、ちょっとのた打ち回ってた。
残り2人はもろ、涙目!
それでも日が暮れてからはキケンだ。
べつに難所はなくても、そんなモノ見たんでは、とんでもない所に迷い込みかねない。

続く

 

391: 本当にあった怖い名無し 2017/03/11(土) 13:58:05.33 ID:5lWKkVgy

けが人2人も引っぱって、夜の山は下れない。
俺の決断に、みんなは納得せざるをえなかったと思う。
川村は気を使って、自分はツェルトを持ってるので、1人で寝るからと言い出した。
おれも賛成で、狭いテントはけが人のために少しでも広いほうがいい。
で、メインテントは俺を真ん中に横田、志野島ってことになった。
べつに何事もなく、そのまま寝た。
夜中、生理現象ねw
おれがションベンに出ると、雲は相変わらずすごい量で湧いていた。
いきなり、ドゴワッって感じで突き飛ばされた。
(鹿????)
樹林帯では気の立った牡鹿に、後から突き飛ばされることがある。
だが、ここは森林限界だ。
風だった!
西岳テント場は突出しているだけに、突風が吹くと恐怖的状況になる。
コロコロ斜面を転がりながら、必死でハイマツにしがみついた。
ブワッとオレンジ色の袋が舞い上がった。
ベンチレータが広がった川村のツェルトだ。
軽いからかたっぽが外れ、ヤツを入れたまま舞い上がって、ビタンビタン地面に叩きつけ
られている。
支柱をを強く地面に固定してあるから、強風下の鯉のぼり状態。
これは怖い。
うっかりしてると、ヒモで合わせ式の底の隙間に首を突っ込んじまう。
「ベンチレータ閉めろ、ナイフで脱出だっ」
怒鳴っているうちに突風は吹きすぎ、やっと静寂に…。

川村が出てきた。
夜目にも黒々した血!
手のひらから甲にかけてザックリ切っていた。
サバイバルナイフでツェルトを切り開こうとして、手元をあやまったんだ。
血の嫌いなおれは、ホント、ダメージが大きかったけど、タオルなんかでケアすることは出来た。
川村はボソッとおれだけに言った。
「見たワ。腐った首。うしろから来るぞ…」

続く

 

392: 本当にあった怖い名無し 2017/03/11(土) 14:00:02.18 ID:5lWKkVgy

もう、死にたくなったワ。
キモすぎ!
変なオカルト話みたいに、最後はおれかよ。
でも、夜が明けるまでは動けないから、みんなでメインテントの中で固まってた。
ひざをかかえて座った状態。
そんな危機的状況でも、人間って、ウトウトしちまうことがあるのな。

やっぱり、OBジジイだった。
ヤツはなぜかフラフラ正面から来てご対面!
もろ、スイカで、頭がちぎれかかって40cmくらい肩から離れてた。
ノッポなわけだよwww
ボロ雑巾は皮膚や筋肉繊維の残骸で、赤いゲジゲジやミミズ、ヒルみたいなもの、シデムシなんかが
ウニョウニョしてた。
一部、死蝋化やミイラ化してたせいか、臭気はなかった。
もしあったら、ゲロゲロに吐いてたワw
遭難したのは半世紀以上前らしかった。
夏が過ぎ、冬が去り、年が巡り、多くの人たちが来て去り、やがて想いも遠くなり縁も切れた。
一人ぼっち…。
一人ぼっち…。
一人ぼっち!!!!
そのとき、いきなりおれはワッと泣いた。
人間が根本的に持つ、激しい同情心、同苦の心だった。
OBジジイは渋紙みたいにクシャクシャに変色した指で、おれの胸をチョンと突いた。
(お、とととととと~~~~~)
って、感じでドサンと横倒しになって、ハッと目覚めた。

もう、周りが薄明るくなっていて、みんなが顔を寄せあつめて見ていた。
おれは眠りながらも、大声で激しく泣いていたそうだ。
結局、全員、結果として家に帰れた。
だが、おれはなんとなく無傷じゃ済まないなと思っていた

案の定、次の日、若年性心臓病で救急搬送。
OBジジイが突っついた部分を中心に、30cm以上も切開手術。
ま、助かったんだけどね。
おれの大学では明治以来の長い歴史の中で、2~3人が遭難や行方不明になっているらしい。
昭和30年代で、滑落って人もいるようだから、その人がジジイかも??
志野島が霊感ありって他は、おれたち4人とOBジジイは全く縁もゆかりもないけど、
頼られるとこうなっちゃうのかね?
あ、一つだけ!
横田は群馬出身、志野島は千葉、川村は都下、おれは都内だワ。
ジジイも23区内の人だった。

終わり

 

436: 本当にあった怖い名無し 2017/03/18(土) 08:41:34.00 ID:r1y1jXWx
>>392
一番おもしろかった

 

437: 本当にあった怖い名無し 2017/03/18(土) 10:42:27.80 ID:JjEfk73U
>>436
登山したことないだろう?w

 

439: 本当にあった怖い名無し 2017/03/19(日) 20:38:37.89 ID:R+aShcm6
ま、>>436のいうとおり、OBジジイの話は面白いよ。
あそこは人気コースだし。
ガラ場に死体が埋まってるってのもウソじゃないしな。

 

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