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その昔炭鉱で栄えた町で相当の人数が住んでいたそうだが、
俺が友達と馬鹿なキャンプに行った時は既に廃墟だった。
引用元: ・不可解な体験、謎な話~enigma~ Part89
9.
さっきまでのサダがすっかり気を取り戻して目が気味が悪いくらいに爛々と輝いているんだよ。
「カエサン」確かにそういって一瞬物凄い形相になった。
そして再び口を開いて何かを言おうした瞬間、田村がおもいっきりビンタを一発くらわした。
続きざまに横にいた俺は思いっきり定岡の背中を叩いた。
何が起きていたかは俺も田村も理解できていたんだと思う。
今思えばすごいコンビネーションプレーだった。
当時2ちゃんなんかないし、どっか別なところで仕入れた知識だったと思う。
ビンタが効いたのか背中をドンが効いたのか、
定岡の顔が元の泣き顔に戻ったのを見た俺らは、いちもくさんに自転車をこいだ。
田村が「ナーミョンホーレンゲッキョー」を大声で唱えだした。
俺んちは「ナムアミダブツ」だと思ったがここは合わせたほうが良いと思い、
大声で「ナーミョンホーレンゲッキョー」を繰り返しながらとにかく漕いだ。
途中から少し余裕が出てきて学校の校歌に変わったが、
とにかく大声で歌いながらひたすらに自転車を漕いだよ。
絶対に後ろは振り返らなかった。
10.
昭和炭鉱の山あいを抜けるまで、止まるのが怖くて1時間はノンストップだったと思う。
道路たって砂利道な。それなりに脚色すればこの1時間だって超怖かった。
途中田村は「やめろー引っ張るなー」って叫んでいたし、
夜中の山道ってだけで十分怖いし。
ま、そこは割愛するよ。長文は嫌われそうだし。
ってか十分長文だな。
とにかく初めて外灯が見えた時は涙がでるほど嬉しかったね。
0時近くなっていたと思うが、
何かの小さな駐車場みたいなのがあってそこにわずかに外灯が灯っていた。
電気だ電気だって感じ。
俺たちはいったんそこに自転車を止めて、しばらくの間ゼエゼエハアハア息を整えた。
携帯電話があれば家に電話するところだけど、そんな時代じゃなかった。
あったとしても絶対電波が届かないような所だったし。
定岡は泣きそうな顔をしていたが、とりあえずノーマルに戻っていた。
11.ラスト
色々選択肢はあったけど、俺たちはそこにテントを張って一夜を過ごした。
電気が何よりもの守り神に思えたんだな。
何かを期待している人には申し訳ないが、その後は何も起きなかった。
というか俺はすぐに眠ってしまったんだよ。
相当疲れていたんだと思う。身も心もね。
朝目が覚めると、定岡と田村はまだぐっすり寝ていた。
外に出て朝日を見た時、昨夜のことが一体何だったんだろうと、
まるで夢のような出来事に思えた。
今思えば、実際夢か何かだったのかと思う。
中学を卒業して、定岡にも田村にも会っていない。
俺は北海道を出て、今神奈川のとある場所からこれを書き込んだところです。
あまり思い出したくもない経験でした。
どう思おうが自由だけど、実話な。