都道府県の怖い話

【青森県怖い話】津軽のイタコ

957: 本当にあった怖い名無し 2009/04/06(月) 00:26:36 ID:LWXeSszF0

私、青森に住んでいる者なのですが、ちょっとローカルなネタを提供させていただきます。

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みなさん、イタコって恐山にしかいない、と思っていませんか?
そして、バラエティなんかでネタにされるように
みんなインチキだと思っていませんか?
でも、イタコは恐山だけではないのです。
そして、みんながインチキとは限らないのです。

津軽地方にもイタコがいるのです。

伝統的に目の見えない女の人がなるケースが多いそうなのですが、
昔は、目の見えない人の一部が津軽三味線を弾いて家々を回る
ボサマと呼ばれる門付け芸人になり、
感覚の鋭い人がイタコになるそうです。
まあ、現在ではほとんどいないようですが。

 
実は友人の祖母が数少ない津軽イタコの生き残り
ということで、教えてもらった話です。

津軽イタコは恐山のイタコのように組織だっていないので、
あまり有名ではないのですが、地域の年配の人たちには
当然知られており、いろいろ頼まれることがあるそうです。

 
ところが、みなさんがイメージしているような霊を降ろしてどうこう、
という感じではなく、普段はどちらかというと占い師に近いみたいです。
(もちろん、恐山のイタコのように霊を降ろすこともできます)
友人も幼い頃からおばあちゃんの不思議な力(無くした物を見つけるとか
当事者しか知らないことを言い当てるとか)を目の当たりにしており、
深く信用していたそうです。

 

958: 本当にあった怖い名無し 2009/04/06(月) 00:31:39 ID:LWXeSszF0

数年前、津軽地方の某市で市議会議員が殺される事件が起きました。
犯人の手がかりもない、というニュースを見ていた友人は、おばあちゃんに
「おばあちゃんってこういう死んだ人の霊を呼び出して、
犯人知ることとかできないの?」
と、なにげなく聞きました。

 

すると、おばあちゃんは
「いつも身に着けていた物とか無いと、人の霊を降ろすことはなかなか難しいんだよ」
と答えました。

「なるほど、そんなもんなんだー」
友人もなにげなく聞いたことなので、その程度で話が終わるはずでした。
ところが、やたらと神妙な声でおばあちゃんが
「でも、もし縁がある物を持ってきても、この人の霊は降ろせないけどね」
と言いました。

 

驚いた友人は、どういうこと?とおばあちゃんに聞きました。
「この人は、とても多くの人に恨まれて死んだので、魂が地獄に
堕ちてしまった。こういう人の霊を呼び出すことはできない」
と、おばあちゃんは厳しい顔で言いました。

後からわかったことですが、この殺された市議会議員は副業で(正業なのか?)
貸金業をしており、多くの人から恨みを買っていたようなのです。

 

959: 本当にあった怖い名無し 2009/04/06(月) 00:34:30 ID:LWXeSszF0

「確かに実際に殺した犯人は一人かもしれないけど、
何十人という人間の恨みが渦巻いている。
だから、もし犯人を知っている人がいたとしても、
証言も出てこないし、証拠も出てこないよ。
何十人もで殺したのと同じようなものだよ。
だから、この事件は絶対に解決しないよ」

と言うおばあちゃんの言葉に、友人は心底恐ろしくなったそうです。
どうやら、2009年現在でもこの事件は未解決のままのようです。

以上で終わります。
なお、会話部分はわかりやすくするために、標準語で再構成しました。
(津軽弁を文章にするとさっぱり理解できないですからね)

 

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