10年ぐらい前、実家での話。
10年ぐらい前、実家での話。
近所に住んでた友人によると、うちの実家が建ってる辺りは以前はちょっとした崖になってて
沼や狐やイタチが飛び出してくるような雑木林があったらしい。
ある日そこを埋め立ててるなーと思ったら分譲されてたという場所。
夜になるとピシッとかバシッとか変な音がしてたけど
新築なので木材が乾ききってないから家鳴りがしてるんじゃないかという親の説明に、
そんなものかーぐらいにしか思っていなかった。(当時中学生だったので)
ある時、親が親戚の法事とかで泊まりがけででかけた。
私は部活があったか何かでひとりで留守番することに。
12時前までリビングでテレビを見た後、2階の自分の部屋に行った。
この時、家中の戸締まりはしっかり見て回った。
玄関さえ確認すればいいマンションの方が楽だったなーとか思いながら、
玄関も窓も引っ張って開かないことを確認する念のいれようだった。
ベッドに入って本を読んでいたら、いきなりガラガラッと玄関を開ける音がした。
実家の玄関は引き戸なので、防犯上複数ロックになっている。
もし親が急に帰ってきたとしても何の予告もなしに(車の音とか鍵を開ける音とか)玄関が開く訳が無い。
しかも中からしか開け閉めできない鍵までかけてある。(普段は使わないが、ひとりだったのでかけた)
瞬間、全身に悪寒が走った。やばい、なにか分からないがやばい!!!
何かが1階に入り込んでいる気配がする。
玄関から廊下を移動してキッチンのドアを開ける音がする。
キッチンを一回りしたら、今度はリビングの方へ…怖い、めちゃくちゃ怖い。
頭から布団を被って耳をふさいでいたかったが、気配を追うのをやめたら駄目な気がして
部屋のドアをにらみつけ、ここには来るな!と念じながら、ひたすら階下の気配を追い続けた。
仏壇のある和室へと移動したあたりから、だんだん気配が薄くなってやがて何も感じなくなった。
時計をみると午前1時、さっきのは夢だったんだ、と思い込んで寝ようにも怖くて無理。
でも、確認しないままではもっと怖いからと、部屋から飛び出し、電気をつけて階段を駆け下りた。
階段の直ぐ横に玄関があるのだが、もちろん鍵は全部閉まったまま。
廊下、キッチン、リビング、和室、果てはトイレから風呂場まで家中を走り回って電気をつけた。
ほっとしてリビングに戻りへたり込んだところで庭に面した窓が目に入った。
カーテンを開け、鍵を確認する。やっぱり閉まっている。
庭が見える掃き出し窓の直ぐ外には、飼っている大型犬の犬小屋があった。
私に気がついて起きだしてきたのだろう、何してるんだ?と眠たそうな顔でこっちをみていた。
迷惑そうな犬を無理矢理リビングに引き上げ、明るくなるまでそこに座っていた。
後で霊能があるという人に見てもらったら、この土地一帯に憑いている霊で、ふらふらと住宅街一帯をさまよっているらしい。
だからって、真夜中に律儀に玄関あけて入ってこなくてもいいだろう…めちゃくちゃ怖かったんだからなっ!