高校の頃は、土曜日になると友達の家によく泊まりにゆきました。
メンバーは、その家の友人、自称霊感のある友人、私の彼女、彼女の女友達です。
その家の両親は土曜日、
たいがい居ません。家も山の中腹にあり
どんちゃん騒ぎをしてもクレームが付くことが無くビール、酒を買い込み一杯会を行っていました。
いつもの様に泥酔して騒いでいると、私の彼女の様子が変になってきました。
霊感少年は、 「取り憑かれている。除霊しなければ駄目だ。此処に、数珠かお札はないか?」
とその家の友人に言っています。
丁度、その家は、創○学会に入っていたので数珠とお札は用意できました。
「今から除霊するみんなの雑念が入ると旨くいかないからからみんなは、隣の部屋に行ってくれ」
私たちは、半信半疑で隣の部屋に待機しました。
酔いはいっぺんに醒めてしまいました。
30分ぐらい隣の部屋で待っていました。
私は、横になって目をつぶっていました。
その時、脳裏に隣の部屋の様子が浮かんできました。
横たわっている彼女、彼女の枕元で正座をして何かお祈りをしている友人。
さらに、2人の上に浮かんで行ったり来たりを繰り返す、髪の長い女の人。
そう、白い服を着て右手に扇子を持った女の人(幽霊?)が行ったり来たりしています。
その幽霊が、彼女の頭の上に居ると彼女は苦しみます。
そんな光景をずっと見て(思って)いました。
その後、霊感少年が、
「終わったよ。」
それを合図に彼女のところへ向かいました。彼女は寝ていました。
つづく
「なかなか、しぶとかったけどどこかに行ったよ。」
私は、さっき見たイメージを確認するために霊感少年に質問しました。
「おい、しぶとかったと言ったけど幽霊かなにかか?」
「そうだよ。女の幽霊だった。」
「え!本当。俺も隣の部屋でこの部屋の光景が浮かんでいたんだよ。どんな幽霊だった?」
「その女の幽霊は、ちょっとたちが悪くて 優しい言葉でY子を連れて行こうとしてたんだぜ
奴は白い洋服を着た髪の長い女だった、右手に団扇を持ってて、それで彼女を扇ぐと彼女が苦しむんだよなぁ」
”げ!”私が見た光景と一致しています。
違うのは、扇子と団扇、彼女を扇ぐ でした。そこで、私は霊感少年に聞いてみました。
「その幽霊は、お前達の上を行ったり来たりしてなかった?」
「してたよ。」
「お前は、Y子の枕元で正座して座ってた?」
「そうだよ。よく分かるじゃ。お前見てたの」
私は、隣の部屋に居たときイメージした光景を霊感少年に話しました。
「お前か。 なんか、もう一つの感じがしてたんだよな。お前も霊感有るんじゃない。」
とのことでした。
つづく
「今日は、この数珠とお札を枕元へ置いて寝させよう」
と言い、私は、彼女の横に寝、後の3人は、隣の部屋に休みました。
夜中、寝苦しく目が覚めました。
横を見ると彼女が居ません。
先ほどのことが有ったし何か嫌な予感がして探しに行きました。
彼女は、玄関のところに座っていました。
丁度出かける時に靴を履く様な格好になっていました。
「おい。何やってんだよ」
彼女は、返事しません。
玄関のガラスの引き戸を見ています。
再度、「おい」と言って肩をたたきました。
「外で、名前を呼んでる。行かなきゃいけないけど。立てない」と言います。
その時、引き戸のガラス越しに外の街灯に照らされた木々の陰が画背も無いのにすごい勢いで揺れています。
よく見ると、人間が、万歳の様な格好でゆらゆら揺れているように見えます。
私は、非常に怖くなり、彼女を布団に連れて行き一睡もせずに起きていました。
翌朝、昨日のことを彼女に聞きました。
「あの時、外で私の名前をよんでいたんだよね。
わたしは、行きたくて行きたくしょうがないのだけど、誰かが止めてる様で玄関から外にでれなかった。
でも、あの声は、優しくて聞き覚えが合ったような気がする。」
と行っていました。
あのまま、外にでていったら彼女はどうなっていたのでしょう。
後で気が付いたのですが、枕元においてあった数珠とお札は、玄関に有りました。
お札は、下からライターで焙った様に所々黒く焦げていました。
おわり。