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【山形県の怖い話】無数の手の跡

1: 本当にあった怖い名無し 2016/01/31(日) 01:16:19.84 ID:2zp1kZOr0.net

怪談といえば夏が定番だが、冬にもっと寒くなる
恐怖体験をお届けする。
36才の看護師が故郷へ帰省した時に体験した恐ろしい話とは…?

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私は霊というものを信じていませんでした。
大病院で看護師をしていて、数えきれないほど死者を見てきましたし、地下の霊安室で
一夜を明かしたこともあります。
霊魂が存在するなら、1度くらい遭遇しているはずですが、
そんな経験はありません。
だから、人間は死ねば灰になる、霊魂なんか存在しない──
そう思っていたのですが…。
 
 
お正月を実家で過ごすため車で山形に帰省した時のことです。
夜勤明けで睡眠不足のまま、ほとんど半日、渋滞する
東北自動車道を1人で運転していました。

夜の8時頃、ようやく東北自動車道のインターを降り、
一本道の農道に出たところで、猛烈
な睡魔に襲われました。
実家まであと5kmほどですが、もう目を開けているのがやっとでした。
 
 
あたりは一面の田畑で、街灯もありません。
通り過ぎる車もなく、小雪の舞う農道はしんと静まり返っていました。
このまま運転していると危ないと思い、私は道路脇に車を停めました。
 
 
シートを倒したのと同時に眠りに落ちた…はずだったのですが、気がつくと私は運転をし
ていたのです。

(あれ、眠っていなかったのかな?うとうとして、車を停めたつもりになっていただけなのかな?)

不思議に思いながら運転していると、突然、タイヤが滑り、金属がつぶれる鈍い音がしました。
ガードレールに激突したのです。ハンドルを切る暇も、ブレーキを踏む間もありませんでした。
 
 
私は額を切り、両膝から血をどくどくと流していました。脚も折れたようで、身動きできません。
強烈な痛みと、薄れていく意識の中で、
 
 
「田中さん!」
 
 
と叫ぶ声を聞きました。私は「田中」ではありません。
それなのに、大勢の人が「田中さん」「田中さん」と連呼しながら、車の窓をドンドンと叩く
のです。窓を叩く手は見る間に増え、すぐに窓全体に人の手が張りつきました。手、手、手…。
 
 
無数と思えるほどの手が窓に張りつき、「田中さん」と叫びながら、車体が揺れるほど強
く窓を叩くのです。窓を叩いているうちの1人は、「すいかおじさん」でした。
実家の近くですいかを作っていて、夏によくすいかを持ってきてくれる人です。
その人は「吉田さん」といいました。
 
 
「吉田のおじちゃん、助けて!」
 
 
シートにうずくまったまま、しぼり出すような声で叫んだところで目が覚めました。
とっさに額と膝に手を当て、感触を確かめました。
額が汗でぐっしょりと濡れていましたが、どこもけがはしていません。
 
 
「なんだ、夢か」
 
 
外の空気を吸おうと、ため息をつきながら車から降りた私は、思わず声を上げていました。
窓ガラスについた無数の手の跡が、車のルームランプに浮かび上がっていたのです。
私はもう必死で実家まで車を走らせました。

NEWSポストセブン[2016.01.30 16:00]※女性セブン2016年2月11日号
http://www.news-postseven.com/archives/20160130_381301.html

2: 本当にあった怖い名無し 2016/01/31(日) 01:16:40.66 ID:2zp1kZOr0.net

>>1つづき

次の日、実家に吉田さんが来ました。あの「すいかおじさん」です。
両親が一緒に出かけると言うので、行き先を聞くと、

「田中さんの家」

と言うのです。

「米屋の田中さんが交通事故で亡くなって、今日は四十九日法要なんだ」

聞くと、事故現場は私が車を停め、悪夢を見たところでした。
雪のせいで手の跡は消え、両親に話しても信じてもらえませんでしたが、あれは死者の
誘いだったのか、それとも警告だったのでしょうか。

 

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