中学の頃、校舎が二棟、ちょうどベランダが向かい合うように
して建ってたんだけど、
昼休みにだべりながらお弁当を食べていてふと窓の外に
目をやったら、向かいの教室のベランダの柵を若い先生が
今まさに乗り越えて飛び降りようとしているところだった。
向かいの教室の窓からはDQN生徒たちが顔を出してて、
何を言ってるのかはわからないけど怒った顔とニヤニヤした
顔が半々、止めようとしてる人はいなさそうだった。
こっちの教室でも何人かが気づいたけど
「うわっなんかやってるよ~」「え~なにあれ、誰か呼んでくる?
めんどくない?」「うちらには関係ないし」って感じ。
かく言う自分も軽々と柵を跨ぐ先生の脚を見て「長え~」とか
言ってた記憶しかない。
その後他の先生がベランダに出てきて、先生は柵の内側に
戻されて最悪の事態には至らなかったんだけど。
詳しいことはよくわからなかったけど、DQN生徒たちの
売り言葉に買い言葉で追い詰められた末の飛び降り未遂だったらしい。
子供の言うことにムキになって飛び降り未遂なんて、と
咎められた先生にはなんらかの処分が下って、学校に来なくなった。
それを聞いた生徒たちは皆ふーんって感じだった。
大の大人を飛び降り未遂にまで追い詰めていたのに、
今そこに飛び降りそうな人がいるのに、なんの良心の痛みも
なく、無関心・ニヤニヤ程度でいられたあの頃の自分たちは
一体どういう神経してたんだってゾッとする。