自分がまだ小学のころ・・。
自分の住んでいる周辺で大変な火事がありました。
古くからの大きな家で、かなりひどい事になって、周りの家を3軒飲み込んだらしいです。
そして、その火事を境に立て続けに火事が4軒ありました。
自分は近所の悪友と、ちょっと小高い所にあるゲートボール場に集まって、
最近続いている家事について噂しあっていました。
一番悪がきのNが言うには、最初の火事の燃え方がすさまじかったとの事。
風が吹いていたのかゴウゴウと燃え盛る炎はまるで生きているかの様に
周りの家を飲み込みながら燃え盛り、近所の人が、住人の人が泣き叫んで、
想像もつかないほどあわただしかったと。
自分は聞きながらかなり背筋が寒くなったのをおぼえている。
周りの連中もおんなじだったらしく、こんな話やめて昨日のテレビアニメの話を
しだしたときだったかな?
物凄く焦げた匂いとともに、ゲートボール場を下りたところにある家からいきなり
黒い煙が上がりだした。
「!!!?」
みんなそんな感じ、パニックになりながら見渡しのいい崖の方に行くと、
オレンジの炎がぶわァ!っと走り出した。
「おい!あれK○じいさんの家じゃね??」
それは近所でも大変気難しいクソ爺と言われていたK○さんの家でした。
それから炎はたちまち勢いを増して、あっと言う間に立派な家も庭も
飲みつくされました。
子供の自分達にはなすすべもなく、ぼぉっとみていると、あっちこっちから人が集まり
消防車も沢山やってきました。
消火活動が始まり、水が勢いよく家にかかるものの炎は勢いを増すばかりで
一向に消える気配はありません。
ゲートボール場を下りるのも、今まさに燃え盛るK○さんの家のすぐ横を通らなければ
帰ることも出来ないので、
自分達はただただ炎を見つめるしかありませんでした。
そんな時、ばァァん!という音が遠くで聞こえました。
みんなは一塊でうずくまって泣いていたので自分だけが崖のギリギリのところまで
見に行くと、燃え盛る家から
小さな炎が飛び出してきました。
「なにあれ?」
自分の声で泣いていた何人かが近くまでやってきました。
その瞬間、大きな声で
「燃えろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!これなんだァ!これだ!」
と言う声が自分にははっきりと聞こえました。
今思い出しただけでもゾッとする様な声だった。
そのすぐ後に家は今までのがうその様に鎮火しました。
後日談
家から飛び出した小さな炎はK○さん本人だったそうです。
そして、最近の火事はK○さんが放火したものだったのが、後から奥さんの
話でわかった事だそうです。
ただ、最初の火事はK○さんの放火ではなく、今でも火事の原因はわからず。
だけど奥さん曰く、k○さんは最初の火事を見に行ってから様子がおかしく
なったらしい。
帰った夜に、いきなりコンロの上でエプロンを燃やしたり、焚き火の日を庭
の木に移そうとしたり・・、そしてとうとう奥さんはK○さんが夜遅くに外出
したのを不審におもい、後を着けた所、火事が起こりしかもその家からK○さん
が飛び出してくるのをみたそうです。
今は亡き自分のおじいちゃん代わりだった人曰く、
「時として人は火に見入られる、目撃した火が大きくすさまじいものほど魅入ら
れる力は強くなりまた、その火を見たくなる・・。
K○さんは火に魅入られたのかも知れないね。Mちゃん(自分)Mちゃんは火に
魅入られないようにね、Mちゃんの生まれ星は火なんだから。」
まだ小学だった自分にはよく言っている意味がわからなかったけど、最近実家
に帰った時に火事を見てふと思った・・。
・・火ってこんなに綺麗なんだ・・・
はっとして正気に戻ったけれど、なんとなくその時K○さんがあの時叫んだ断末魔
がわかった気がし。
「燃えろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!これなんだァ!これだ!」
これがちょいと自分的には怖かった話。
心霊的なのもじゃなくてごめんなさい。
あと長文で、読みにくくてごめん、パソコンは難しい・・・。