「よっしゃ、これから皆でご飯食べに行こう!」
と夫の家族と出かける準備をしていました。
市役所に婚姻届を出して
「よっしゃ、これから皆でご飯食べに行こう!」
と夫の家族と出かける準備をしていました。
準備が出来たことを義母に知らせようとすると、電話中。
義母の実家の父(夫のおじいちゃんですね)が危篤とのこと。
急いで車で向かいました。
運転するのは夫、助手席に私、後部座席に義父母が座りました。
ここで少しだけ補足ですが、その前の年用事があって義母と夫と義母の実家を訪ねました。
そこでおじいちゃんにもお会いして
「こりゃそろそろ結婚かな、ガハハ」
とお祝いムードになりました。
その後で夫が急病で倒れました。
一時は危篤状態でICUにもいましたが後遺症はなく、退院しました。
おじいちゃんは
「今年は悪いことがなければいいな」
と心配していたそうなので、きちんと元気な顔を見せなきゃねと話しており、連休明けにでもご挨拶に伺うつもりでした。
続きます。
病院までは車で20分くらいの距離で「間に合いますように」と考えていました。
その頃乗っていた車がヘッドライトをつけるとエアコンのボタンなどが蛍光っぽい緑色に光る仕様でした。
「今日は何だか車の中が明るいな」
と本当に何故かどうでも良いことを考えました。
そして本当になんとなーく、横を見ると運転席と助手席の間のスペース後方から、蛍光緑色のおじいちゃんが自分と同じくらいの位置まで身を乗り出していました。
ちょっと意味不明ですが、夫、おじいちゃん、私が並んでいる感じでした。
古いデザインのいかにもお年寄りがかけていそうなメガネのご老人です。
まさか、この人はおじいちゃんなのか?とも、考えましたが一度お会いしただけでほとんど顔を覚えていませんでした。
続きます。
脳内ではパニックになりつつも、他の人は何も言わない。
何で私だけ?娘である義母にも孫の夫にも見えてないの?と思ってもここで私が話したら、パニックになってサイアク事故に遭ってしまう...
と思っていたら、夫の従兄弟から電話で
「今亡くなった」
と。
「間に合わなかったねぇ」
と呟く義母がとても気の毒でした。
病院につき、おじいちゃんと対面しました。
「きちんとご挨拶したかなったな...」
と思い手を合わせました。
悲しいなと思いつつも
「おじいちゃんはメガネをかけていない、きっとさっきの緑色の人は通りすがり(?)の人だったんだ」
とぼんやりと思いました。
次の日からは義母の実家に行き、色々なお手伝いをしました。
慣れないことやほぼ初めての親戚の人たちに緊張して、車での出来事は夫にも話していませんでした。
なんだか不謹慎な感じもしていたので。
そして遺影が出来上がってきて、見てみたらお察しの通りとしか言いようがありませんが、おじいちゃんメガネをかけていました。
オカルトな話は小学生の頃から好きでしたが、音しか聞いたことがなかったので本当にびっくりでした。
でも場所が場所なので話せず、火葬とお葬式が過ぎて一ヶ月くらい経ってから夕食後に義母と夫とで
「幽霊を見たことがあるか」
と言う話になりました。
言い出したのは義母で私が喋りたそうな顔をしていたからか、話すように促されました。
車の中でおじいちゃんを見たこと、でも病院にいたおじいちゃんはメガネをかけていないから通りすがりの~と、話すと
「そりゃ亡くなったからメガネ外したんだわ」
と笑われ...。
義母いわくおじいちゃんは夫の体調をとても気にしていたこと、倒れた時には
「俺が代われるなら」
と言っていたこと、そして私だけに見えたのは
「孫のことを頼むよ」
と言うメッセージだったのでは?と話してくれました。
私としてはとても心温まるお話でしたが、強いて言えば
「今おじいちゃんが見えたと言ったら事故るかも」
と思ったのがほんのりでした。