まとめたら長くなってしまった。
約6年前、友人と某県のリゾート地へ行ったときのこと。
最終日のその日は好きなアーティストのイベントがあり、ホテルに戻るとだいたい日付が変わるかどうかくらいの時間になっていた。
そのとき二人ともかなり空腹だった。
しかしホテル内のレストランはさすがにもうやってないということで徒歩で行ける距離にある24時間の牛丼店に行くことに。
道中、喫煙所があった。その前を通過するときに、女性がひとりタバコを吸いながら下を向いてポロポロと涙を流してるのが見えた。
泣いてるのに気づいて少し驚いたけど、具合が悪そうには見えないし、あんまり見つめるのも違うなと思い、見なかったふりをして友人と話ながら目的地へと向かった。
満腹になって店を出て、同じ道を帰るときに当然先ほどの喫煙所の前を通る。
既にそこには誰もいなかった。
通り過ぎてから、
「さっきここにいた女の人、すごく哀しそうだったけど大丈夫だったのかな。」と私が友人に話しかけると、「…そうだね」となんとなく煮えきらない返事が返ってきて、すぐに話題はその日にあったイベントにすり変わった。
そのときはさほど気にせず、私もイベントの話に夢中になった。
時は経ちつい先日、変わらず仲良くしているその友人と久しぶりに会って食事をしていた。
友人は吸わなかったタバコを吸うようになっており、店員に灰皿を頼んでから思い出したように私にこう言った。
「〇〇(私)、6年くらい前に旅行行って夜中に牛丼食べに行ったとき、喫煙所に哀しそうな女の人がいたって言ってたのを覚えてる?」
「ああ!忘れてたけどw覚えてるよ!」
「あそこ、行きも帰りも間違いなく誰もいなかったよ。怖がるかと思って、あのときははぐらかしてごめんね」
友人はあのとき、行きに私が喫煙所の方を見ていたのに気づいたが、誰もいないのに変だなと思ったらしい。
さらに帰りに私がそんなことを言うのでゾッとして、さらに普段怖がりな私がビビるんじゃないかと思い話をはぐらかしてしまったと。
言われてみれば、あのときの女性はタバコを吸っていたのに一切タバコの匂いがしなかったのを思い出した。