タイに旅行に行ったとき、夜中に小腹が空いてコンビニに行った。
すると、店の前に犬と見間違えるほどデカいネズミが死んでて、それをウジ虫とゴキブリと
子ネズミがこりこり・・・くちゃくちゃ・・・と音を立てながら食っていた。
大ネズミの目玉から子ネズミが脳みそを口にくわえたまま這い出てきたのを見たとき、
おれは「 ほおおおおおおおお 」と絶叫しながら逃げた。
吐き気をこらえて這うようにホテルにたどり着いたら、廊下から他の宿泊客が
ルームサービスで取ったらしいチキンライスの匂いが漂ってきた。
それを嗅いだ瞬間、滝のようなゲロを吐きまくって酸欠で失神した。
そのまま病院送り。トラウマから水とリンゴジュース以外一切口にできず、
わずか12日間で17キロもやせた。
今も街で飯屋の前から肉の匂いが漂ってくると猛烈な吐き気に襲われて倒れることも
しばしば。だからマスクは絶対欠かせない。
拒食症の一歩手前で社会生活すらも困難になった。女の肌の匂いをかぐだけでも
吐き気がするようになった。だから彼女とも別れた。一番つらかった。
今は輪島塗の漆工房で働くようになった。社会から隔絶された穏やかな生活。
でもこのまま一生まともに飯も食えず女も抱けないまま死ぬのかと思うとぞっとする。