人いなさそうだし、私が幽霊を信じ始めた話を長々と
中学のとき部活の合宿で田舎の民宿に泊まったときのこと
民宿は袋小路の一番奥で、シーズン外だったからか団体さんが宴会で使うような大広間を7人くらいで使わせてもらえてた
古い木造のザ・日本家屋って風情で、街灯がなくて夜になると窓の外は真っ暗、夕方にはダムの放流音がやたらと響くところだった
ただでさえ合宿でテンションあがってたんだけど、そういう要素もそろったもんで初日の怪談大会は凄く盛り上がった
顧問ですら、2輪駆動?してないのに観音さんから如意輪貰った話とか河童と腕相撲して靭帯切った話とかしてくれた
2日目の夜ミーティで明日の予定をしおりに目を通しながら確認してたとき
顧問と自称霊感持ち(幽霊見える、守護霊は見知らぬ婆)の友達が同時にふっと顔をあげて同じ方向を向いた
部屋の隅だったんだけど、大広間なもんで皆で集まったとこにしか電気をつけてなかったから光から遠くて薄ぼんやりしてた
「人来たな」「来ましたね」って会話してるけど正直私にはただの部屋の角っこ、他の子たちも首を傾げてた
その間も2人は「着物、左前やな」とか「お爺さんですね」とか言いながら、同じ速度で顔を部屋の隅から反対側の隅まで動かして見てる
まるでなんか部屋を横切る人を目で追ってる感じだった
それで2人とも同じタイミングで力抜いて、「出てったな」「ですねえ、一瞬こっち見ましたよね」「なあ、どうしよかと思ったわ」とか言ってた
結局その日は絶対に怪談大会はしないようにと顧問命令が出て、友達が見張りをかってでてた
朝になって宿を出たら、袋小路の一番外の家がお通夜?お葬式?の準備をしてた
ここの人やろ、って見えなかった組が大騒ぎしてたら
後ろで顧問と友達が「こことちゃう気ぃするよなあ」「歩いてきたには近すぎますもんねえ」とか会話してて
この2人にはどういうお爺さんが見えてたんだろうって気になりつつ、見える人って本当にいるんだと思った
それからもこの2人に関わるとKFCの幽霊にとりつかれたり、グリンピース大の顔に付きまとわれたり、ハイホーって声に追いかけられたり
最中は怖いけど思い返すとお笑いネタにもならないような何とも言えない体験ばっかりした