奇妙な話

【奇妙な話】とある船で起きた信じられない本当の話

60: 本当にあった怖い名無し 投稿日:2014/12/06(土) 18:00:52.83

或る船長の昔話

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貨客船の船長をしていた頃、ある夜甲板に出てパイプをふかしていた
すると船員がやって来て、「船長、船長室に誰か居ります」と伝えた
「そんな筈はないが、密航者かも知れん」と言い、船員と連れ立って戻った
船長室には誰も居らず、机の上にペンで走り書きが残してあった
『南に進路を取れ』
誰のイタズラかは分からなかったが、ペンのインクはまだ生乾きだった
最初に呼びに来た船員の話では、船長室の前を通りかかったところ
何となく扉の丸窓を覗こうと見ると、船長室の中で見知らぬ背の高い男が
机に向かって何か書き物をしていたようだったと話した

「南に進路を取れだと?」
船長は不審に思ったものの、急ぎの航路でも無かったので一つこの
不思議なメッセージに乗ってみることにした

船は南進し、暫くすると霧の海上で一隻の遭難船らしい船舶に遭遇した
早速救難するともう何日も航行不能であったらしく、餓死者もおり、
生存者のみを船に移して帰港することとした
その作業中、例の船員の一人が黒い服の背の高い男を指して船長に告げた
「あの男です船長!船長室に居たのは!」
船長から遭難船の船長にその話をふってみると意外な事を話した

「あの男は実は他の難波した船から引き揚げた男なんです
そのまま船で働かせていたのですが、今回の遭難の間に彼が急に意識を喪って
倒れた後に目を覚まして言うには、今助けを呼んできた
もうすぐこの船は助かるなどと話していました」

船長はその話を聞いて、大層不思議がったという

 

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