お暇な方は最後まで読んでください
その日は友人とドライブをしていた、県内をグルグル回っていて
急にトイレがしたくなってある公園に立ち寄ったんだ
車を降りる時、時計をみたら夜中の3時くらいだったかな?
時間も時間だし友人が「他の所行く?」と言ってきたが
私は我慢できそうに無かったので怖がる友人を引き摺りながらトイレに向かった
その公園は城跡にあって、春になれば桜祭りという祭りで結構な賑わいを見せるような公園
何度か来た事あるし、街灯があるし満月に近かったので月明りの助けもあり
園内は比較的に明るかった
トイレを終えた私は、長時間座ってるのも疲れたので久しぶりに来たことだし
散歩をしようと言い出した
心霊とかそういうのが苦手な友人は少し怖がっていたようだけど、明るかったのもあるし
私がそういう物を好きなのを知っており、「仕方ないな」と言い付き合ってくれた
公園には砂利道の桜の並木道があり、春には桜が綺麗なのだが生憎季節は秋、
桜の木にはどれもみすぼらしく立っていた
その並木道を抜けると花畑がある、花畑は四つに分かれていて真ん中には小屋
(壁が無くて屋根の下にはベンチがある)みたいな物がある
花畑が見えてきたと思った矢先、友人の足音が急に止まった
「靴紐でも解けた?」と聞こうと振り返ると友人は小屋の方を指差し
「あそこなんか居るよ!」と体を震わせながら蹲っていた
小屋の中は屋根の影で薄暗く中までははっきり見えない、目を凝らして見ると
ベンチに黒い影みたいなものが見えた
正直ビックリしたけど、半分混乱状態の友人のおかげで冷静でいられた
時間にして1分くらいだろうか小屋の中の暗闇にも大分目が慣れて正体がわかった、
小屋の中のソレは幽霊とかそういう類のものではなかった
足元で私の服の袖を掴んだまま離さない友人に「帰ろう」と言って、
足音を立てないようにしてその場を立ち去ることにした
友人は半泣きで「何が居たの?」としつこく聞くので「ホームレスだったよ」と教えてあげた
実際にベンチの下には紙袋と靴が置いてあったので間違いないだろう、
何より夜遅くこんな場所で女二人という事を考えれば
居るかどうかわからない幽霊よりも、現実にそこにいる人間の方が
脅威になると私は判断したのだった
気持ちを落ち着けようと明るい話をして並木道を引き返す私と友人
周囲は小さな私達の話し声と二つの砂利道による足音のみ聞こえる
しばらく歩くと私と友人は同時に後ろを振り向いた
後ろの方で足音が聞こえてきたのだ、歩く音ではない駆け足のような音だった
あんまり変なことを言うと友人が怖がるだろうし、たまたま二人一緒に振り返っただけだろうと
また前を向いて歩き出した
友人も私の手を握ってきたので間違いないだろう、友人も聞こえているはず
音はこちらに近づいてくる、足音であるであろうそれは人間の足音とは少し違った
タカタッタ?みたいな感じでどちらかというと四足歩行のような気がした
犬の散歩かもと思いつつ、近づいてくる音が気になり後ろを振り返ると音は止まるが
肝心の音の正体はどこにも見当たらない
焦る気持ちを抑えつつ、私達は歩き出した
友人と私は少し足早に車に向かった、追って来る足音はその速度を緩める事無く近づいてくる
もうすぐ真後ろに来るというところで私は友人を庇う様にして振り返った
が、そこには何も無かった
足音はまるで何も無かったかのように消えていた、足跡を確認する余裕が無かったのが
悔やまれるが大事には至らなかったのでよしとしよう、私達は歩き出した
友人は「今何か通り抜けていったよ!手握ってた右腕に鳥肌がたった!」と騒いでいた
何かが通りすぎたのは知っていた
だって私は左半身に鳥肌がたったんだから
恐…恐くないかorz
最後まで読んでくれた方ありがとうございました