奇妙な話

【不気味な話】バイト先の2階にあった開かずの間

198: 1/4 2008/09/20 21:35:00 ID:Xc6djnlE0

20140128a

 

開かずの間スレと迷ったけど、開かずの間もそれほど出てこないし
自分としては恐いというよりすごく嫌な気持ちと言った方がいい感じなんですが
どこかに吐き出したいのでのでここに書き込みさせて下さい。

引用元: 死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?197


学生の時のバイト先の2階にあったのは多分開かずの間だったんだと思う。
弁当屋だったんだけど2階は休憩室と資材とか置いてた。

けど誰も2階で休憩しない。
デカイ窓あるのに昼間でも薄暗くてしめっぽい感じで、
資材取り行く時も絶対みんな一人で行きたがらない。
俺のだいぶ後に入った美大生の自称霊感持ちのかわいいけど
ちょっと変な女だけよく2階でタバコ吸ってた。

だから重くない資材とかはその女に頼むようになって、
かわりに休憩時間外の一服黙認みたいな感じにしてた。

店の資材在庫チェックのときも、当然その女面子にいれて
あと社員さんA、B二人とシフトだった俺とバイトのチーフの先輩五人でやる事になった。
社員さんBと先輩が電車の事故で遅れて三人で始めた。

おれがチェック表とか下でコピーしてたら、上から悲鳴が聞こえたので
あわてて階段をのぼってったら突然頭がびしょびしょに濡れた。
触ったら全然痛くないのに大量の血が出てた。

199: 2/4 2008/09/20 21:35:29 ID:Xc6djnlE0
驚いたけど女がぎゃあぎゃあいってるが聞こえるので
とりあえず2階に上がったら、女は壁の方向いて分けの判らない事を叫んでいて
社員さんAは座りこんで漏らしてた。

女の指差してる方を見たら、これまで壁だと思ってたとこが引戸だった。
中は畳横に二枚並べたくらいの部屋で、小さな虫の死骸が2cmくらい積もっていた。
1カ所の角だけ三十センチくらい丸くなにもない。
壁はパッと見普通の和室っぽい壁に見えたけど、
土に長い黒い髪の毛みたいなのを混ぜて塗り込めてあった。
引戸の裏もおなじ感じになっていた。

訳わかんなくてぼーっとしてたら、遅れてた先輩が来て、
血まみれだったおれは即救急車呼ばれて病院連れてかれた。
病院ついたらもう一人の社員さんBがそっちに来ていて、
有給と見舞金出すから棚から物が落ちて怪我した事にしろと言われた。
正直金が欲しかったのと、恐くてもうバイト先に行きたくなかったのでいう通りにした。

傷はそんなに深くなかったから縫うだけですんだ。
バイトは2週間くらい休んでいい事になってたけど、
どうしても気になったから10日目くらいにのぞきに行った。

200: 3/4 2008/09/20 21:36:01 ID:Xc6djnlE0
そしたら先輩は居たけど社員さんAは体調崩して長期休養、
女の方は学校も辞めて実家に帰るからって親と挨拶に来たっていってた。
女は店に一歩も入って来なくて全然しゃべらなくて、
薬が効いてぼーっとしてるみたいな感じだったらしい。
 
先輩が社員さんBを問いつめて聞いた話を聞かせてくれたんだけど、
店はもともと普通の古い民家だったのを、人が居着かなくて困った所有者から
格安で借りていた場所らしい。社員さんBも詳しい事は知らなかったけど、
『絶対いつか何か起こると思ってた』と言っていたらしい。

引戸見つけて開けたのは女の方で、中から頭がぐるぐる回る人形?が出てきた
と繰り返してたらしい。
社員さんAは何も話さなかったけど、ショックを受けた状態になっていて
内臓が弱っているのでまだ入院していて、家族の希望で多分近々退社するという事だった。

2階を見せてもらったら、その部屋は綺麗に掃除されて
引戸も外されて、壁も塗り直されてた。

けど2階の雰囲気は全く変わってなかった。
ものすごく嫌な気分になって、その日でバイトを辞めた。
大学のある駅近くの店だったがその日から卒業まで一度もそこを通らなかった。

201: 4/4 2008/09/20 21:36:34 ID:Xc6djnlE0
しばらくして仕事でその駅に降りたとき、なんか思い出して店を見に行った。
そしたら弁当屋は無くなって今風のカフェになっていて、驚いた事に先輩が店長をしてた。
弁当屋はおれが辞めたすぐ後ボヤを出して潰れて、同じ系列チェーンのカフェになった。
社員さんBが最初そこの店長をしていて、違う会社に転職する事になった時に
先輩が店の権利を買い取ったということだった。
 
どうしても気になってた2階の事を聞くと、先輩はちょっと困ったような嫌そうな顔をして
やっぱり嫌な雰囲気があるので改装とお祓いをして倉庫にした、といってから
『これ多分あの子が見たって言ってたやつだよね』といいながら、
おれに葉書を見せてくれた。

あの女からの絵画展の招待状だった。宛先が昔の弁当屋の名前になっていて、
表側に、頭が変な風に横に潰れたでかくてのっぺらぼうで口だけが裂けて、
手足が異様に細い白いぬいぐるみが踊ってるみたいな絵が書いてあった。

はがきは二年くらい前に来たもので、場所が遠いので行けないし、と思いながらも
記載してあった画廊に問い合わせたところ、そんな展示の予定は無いと言われたそうだ。
『なんか捨てるに捨てられなくてさあ』と言いながら先輩はそれを引き出しにしまい込んだ。
その後先輩とはしばらく連絡し合ったりしてたけど、
今年の春、店が老朽化で立て替えになるので、この機会に両親の面倒を見るためいなかに帰る、
という電話が来た。

その後何度か連絡しようとしたけど携帯変えたらしくて通じない。
暑中見舞い出したけど宛先不明で戻ってきた。
結局なんだったのかわからないままだけど、おれはもうあそこには行かない。

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