隆史さん(叔父さん)の話を聞きたいとの書き込みもあったので
書かせて頂きたいと思います駄文ですがお付き合い頂けたら嬉しいです。
曾お祖父さんの話になります。
度々起こっていたらしいんです。
山狩り等も頻繁に行われ懸命に捜索するのですが、いつも血の跡だけしか見つからず、
大体は山にいる熊の仕業にされていたようです。
その日もいつものように自宅で夕食を食べていると猟師仲間が「近所の子の姿がない、
捜すのを手伝ってもらいたい」と言われ「また熊か?」と思いながら猟銃を携え、
猟師仲間と一緒に夜の山に入りました。
夜の山を明かりを手に宛てもなく捜し続けましたが子供の姿は見当たらず途方に暮れる中、
猟師仲間が「いつも捜してる場所じゃなく他の場所も捜してみよう」と提案しました。
今回はその提案通り、少し道の逸れた山肌の所まで行く事にしました。
村の捜索隊から離れ、二人で山肌の所まで行くと、小さな何かが動いているのが見えました。
「子供が見つかったか?」と思い急ぎ足で向かうとそこにいたのは3人の赤ん坊でした、
いや後から考えると赤ん坊のような物といった感じの物だったらしいです。
「何故こんな所に赤ん坊が?」と思い、ただ棒立ちで赤ん坊を見つめていると、赤ん坊達は何かに
一生懸命しゃぶりついていました。
近付き何を食べているか見てみると、形が人間に思える肉塊を一生懸命食べていたのです。
ベッタリついた口で嫌な笑顔を浮かべ明らかに赤ん坊が出さないような声でこう言ったらしいのです
「また来た…」
凄い勢いで赤ん坊達は近付いて来て、猟師仲間の足を噛み付いたかと思うと肉を食いちぎり、
本当に美味しそうに食べ始めたのです。
あまりの光景に呆然としていた曾お祖父さんですが、猟師仲間の悲鳴で我を取り戻し、赤ん坊達に
目掛け猟銃を何発か放ちました。
すると赤ん坊達は物凄い叫び声を張り上げながら逃げて行きました。
所まで猟師仲間を連れて行き何人か連れて山肌まで引き戻しました。
ですが、赤ん坊の姿はおろか肉塊も無く、ただ血溜まりが出来ていただけでした。
猟師仲間はその時は一命は取り留めましたが、傷が異常な位に化膿し一ヶ月程した後に亡くなった
との事です。
それから山へ子供が入るのを禁止し、猟師達もしばらく猟は控えたそうです。
神隠しの正体は熊ではなく、あの赤ん坊達の仕業と曾お祖父さんは言っていたと話してくれました。
曾お祖父さん達は山童と言っていたようですが、隆史さんは山ん坊と言っていました
(安易なネーミングセンスだと思います)
隆史さんが話してくれた話はまだありますが、殆どが古典的な物ばかり(耳無し芳一や火の玉等)
なのでこれで失礼したいと思います。
見て頂いた皆様ありがとうございました。
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