見ていた時の話を投下します。
可もなく不可もない内容だったらしい。
そのうち、友達の一人が寝てしまった。
多分、つまらなかったのだろう。
弟が、次のDVDを見ようとしたとき、弟の携帯が震えた。
それは着信だった。
弟はベタな悪戯だと笑いながら、友人達に「今俺に電話してるの誰?」と聞いた。
しかし、友人達は口々に俺じゃないと答えた。
それもそのはず、彼らの携帯は全てテーブルに置いてあり、誰も触ってはいなかった。
あれ、と弟は異常な点に気付いた。
今かかってきているこの番号は、自分の携帯の番号だったのだ。
「違うだろ…」
「ヤバいんじゃね?」
にわかに騒ぎだし、友人の一人が自分の彼女に電話した。
「今ヤバい事起きてるんだよね」
すると、ブチッと通話が切れた。
普段、電波が三本立つ部屋なのにも関わらず。
たまらずに、弟も彼女に電話した。
今度は問題なく通話が出来た。
しかし、彼女の声に被さるように男の声がボソボソ聞こえる。
「お前、今周りに誰か居るの?」
「誰も居ないよ…」
「でもお兄ちゃんとかお父さんとかさ」
「だから、誰も居ないってば…」
弟はその男のかすかな声を注意深く聞いた。
すると、その声はこう言っていたのだ。
「助けて」、と…。
すると今まで寝ていた友人が急に目を覚ました。
とても青ざめた顔をしていたので「どうした?」と聞くと一言。
「夢の中で変な男に呼ばれた。あれは死人だ」
軽くパニックになった弟達は、知り合いの霊能者に電話し、今すぐ静岡県内では有名な
神社に行って身代わりのお守りを貰って来るように指示を受けた。
早速、弟らは四人揃って神社へと足を運んだ。
もちろん、道中もずっと自分の番号から着信が途絶えなかった。
しかし、その有名な神社の鳥居をくぐった瞬間、鳴り止まなかった着信がパタリと止んだ。
「早くお守り買おうぜ」
「そうしよ」
弟らは「身代わり」という刺繍の入ったお守りをそれぞれ購入し、ようやく一安心だとため息をついた。
今日は早く帰って寝て忘れてしまおうと、足早に神社を去っていく。
そうして鳥居を出たその瞬間、再び携帯が震えだした。
全員の背筋を悪寒が走った。
弟も気持ち悪くなったが、強がりで「お守りがあれば大丈夫だ」と言うと、友人らも
その気になり少し落ち着いた。
「ああっ!」と一人が叫んだ。
「どうした?!」
「これ見ろよ…」
その友人はてのひらのお守りを見せた。
そこには「身代わり」という刺繍なんて最初から無かったかのように、文字が消えてなくなっていた。
着信は鳴り止まなかった。
「正直洒落にならんかったもんww」
「お守りの字が消えるとかありえねーよw」
「ほんとにすうって消えたんだよ。不思議だったなあ」
「で、どうなったの?」
「電源切って寝た。あとは知らないw」
「ちょwww」
皆さんも気をつけて下さい。