奇妙な話

【怖いはなし】じいちゃんから聞いた赤いまりと五右衛門風呂のはなし

307: 1/2 2011/07/04(月) 01:06:30.67 ID:4oSeh1s70

【じいちゃんー五右衛門風呂】10月20日12時

少し時間が空いたので母方の田舎の話、
中でも爺ちゃんに聞いた話をひとつかふたつ話そうと思う。



引用元: ほんのりと怖い話スレ その74

307: 1/2 2011/07/04(月) 01:06:30.67 ID:4oSeh1s70
少し時間が空いたので母方の田舎の話、中でも爺ちゃんに聞いた話をひとつかふたつ話そうと思う。
相変わらず怖いかと言われると微妙なラインなので、お目汚し程度に。

爺ちゃんがまだ今よりは幾分か若い頃、山の中の畑に野良仕事に出かけた時の話だそうだ。

山の中と言っても、そうそう山奥でもなく、傾斜もゆるい山道を歩いて二十分ほどの場所にある
周りを竹林に囲まれたような場所だったそうだ。

ひとしきり仕事を終えてそろそろ帰ろうかと、後始末めいた事をしていた爺ちゃんの足元に
何かがころりと転がってきたそうだ。

何だろうと足元を見ると、そこには赤いまりが転がっていたそうだ。

はてこんな所に何でまりが? と思い辺りを見回す。
いくら近場と言え周りにまり遊びが出来るような場所はない。

どうしたものかと思っているとやおら「きゃっきゃ」と楽しげな子供の声が聞こえてきた。

なんだなんだと思っていると、着物姿の子どもが男も女も混じって5,6人出てきたと言う。

何でこんな所に子供が? と思っていると、
そのなかのひとりの女の子がにこにこ笑いながら近づいてきて両の手を差し出す。

ああ、この子たちのまりなんだなと思い、ぽおんと放ってやるとひょいと受け取り

「ねえ、遊ぼう?」
と、声をかけてきた。

爺ちゃんは「いやいや、これから帰らんといかんからな」と答えると、
女の子は少し頬をふくらませて不機嫌そうに

308: 2/2 2011/07/04(月) 01:08:30.81 ID:4oSeh1s70
「まえもそんなこと言ってた……もういいよ」
と言って、他の子供達と一緒に竹林の中に帰っていったと言う。

何の事だろう、と思いながら爺ちゃんはとりあえず後始末を終えてそのまま家に帰ったそうだ。

「で、爺ちゃん帰ってから思い出したんやけどな……会ってるんだわ、その子らに」
 いつ? と聞き返すと爺ちゃんはうーんと腕組みをしながら

「爺ちゃんがな子供の頃……少なくとも十かそこらの頃なんやわ
 爺ちゃんの父ちゃんに言われて、あすこの畑に忘れ物取りに行ってな……そん時もやっぱり
 竹林の間から5人か6人……話しかけてきた女の子は間違い無くその子だったなぁ 覚えとるわ」

 その時も、何やら遊びに誘われたがもう結構な夕暮れ時だった為、断って帰ったのだと言う。

 なるほど『前も』と言うのはそう言う意味だったのだろう。

「なら、その時のお詫びも含めて遊んであげればよかったんじゃない?」
と俺が言うと、爺ちゃんはいやいやと首を横に振り

「帰って来れなくなったら、困るからなあ」
と苦笑交じりに言っていた。

309: 1/2 2011/07/04(月) 01:30:55.92 ID:4oSeh1s70
もうひとつは……あ、これ婆ちゃんの話だわ。
田舎の家の風呂にまつわる話。
連投になっちゃったらごめん。

婆ちゃんの家の風呂というのが、まあ見た目は普通なんだが
風呂焚きをするのに、台所から少し降りた勝手口の所にある小さなかまどの火を使うという
五右衛門風呂もどきだった。

俺も子供の頃何度も入った事があるが、湯船を覆っているふたを外すと
湯の上に中ぶたがぷかぷかと浮いていて、それを足で沈めながら入ると言う、そんな感じの造りだ。

無論、燃料には薪やら家で出た紙くずなんかを使っていて、
その物珍しさから風呂焚きをよく手伝っていた覚えがある。

話はまだ俺や兄が生まれるより前の秋口、夏に比べるとずいぶんと涼しくなって来た頃だったそうだ。
夕食を終えた婆ちゃんは、いつものように風呂焚きを始めた。

薪やら紙くずやらを放りこみ、火種を放り込むが何やら火の着きがよろしくない。

薪の位置を変え、火種になる紙くずを変え、悪戦苦闘しながらも何とか火をつけるが
今度はついても直ぐに消えてしまう。

310: 2/2 2011/07/04(月) 01:32:22.74 ID:4oSeh1s70
一度、薪を取り出してみるが別段、湿気っているわけでもない。

そうこうやっている内に、何とか火が燃え上がり、
婆ちゃんはやれやれと腰をさすりながら立ち上がった。
 
暫くそのまま放っておいて家事をすること小一時間。
かまどの中がすっかり燃え尽きたので婆ちゃんは爺ちゃんに風呂が沸いたことを告げた。

爺ちゃんは「おう」と答えて風呂場に消えて行ったが、しばらくもしないうちに

「おい、婆さん」
と少し怒り気味の爺さんが出てくる。

何かと思っていると「風呂が全然沸いていない」との事らしい。

そんな筈はと思い、風呂場に行って湯船に手を突っ込んでみると、なるほど冷たい水のまま。

はてと思って、かまどを覗いてみると薪も紙くずもすっかり燃えて灰が残っているだけだと言う。

「ちゃんと沸かしたんやけどねえ」
と言いつつも、もう一度かまどに薪を放りこみ火をつける。

すると、今度は普通に湯が沸いたのだと言う

婆ちゃんは
「あの時は、いつもより少しばかり寒かったからねえ……火を盗られたのかもしれんねえ」
と言っていた。

もっとも爺ちゃんは

「ありゃ、婆さんがぼけてただけだわ」
と言って、今も譲らない。

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