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【洒落怖まとめ】自殺の名所の橋で体験した怖い話

9: 本当にあった怖い名無し 2007/02/17(土) 20:47:24 ID:05o6RZT20
kanagawasinrei200812 0621 
高校生時代、陸上部で短距離走をやっていた俺は、夜学校が閉まってからも
練習をする熱心なスポーツマンであった。
といっても、学校内に残って練習するわけではなく、自宅周辺の道路を走る
のである。中でも練習に好都合な場所は、100メートル程の長さのある橋の
歩道であった。住宅地では不可能な100メートルダッシュの練習が、
思いっきりできたのだ。だがその橋には縁起の悪い問題があった。

引用元: 死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?158

9: 本当にあった怖い名無し 2007/02/17(土) 20:47:24 ID:05o6RZT20
高校生時代、陸上部で短距離走をやっていた俺は、夜学校が閉まってからも
練習をする熱心なスポーツマンであった。
といっても、学校内に残って練習するわけではなく、自宅周辺の道路を走る
のである。中でも練習に好都合な場所は、100メートル程の長さのある橋の
歩道であった。住宅地では不可能な100メートルダッシュの練習が、
思いっきりできたのだ。だがその橋には縁起の悪い問題があった。
自殺である。

河を渡るために30メートル程の高さがあるその橋は、街灯も少なく、
投身自殺者にとっても絶好のポイントだったのである。
実際、飛び降りポイントらしき橋の中間点には、花が添えられている
ことが多かった。
 投身自殺者があの世へ向かう速度よりも速く突っ走ることに
情熱を注いでいた当時の俺は、そんなことはお構いなしに橋を練習に
使っていた。むしろ自殺が起こらないようパトロールしてやる!
くらいの意気込みであった。

 

12: 本当にあった怖い名無し 2007/02/17(土) 21:14:15 ID:05o6RZT20
ところがある日、奇妙な光景に出くわした。
白いワンピースを着た少女が、夜の橋の歩道を疾走していたのである。
(ユーレイ!?・・・でも、脚あるし・・・)
俺が訝しげに遠くから眺めていると、少女が走り終わった先に数人の人影
が見えた。四角い機材を担いだ者、槍のような棒をかざした者、照明を
持った者・・・
(あぁ!!映画か何かの撮影か!)
学生らしき団体の、映画製作現場だった。
しかし、そいつらの行動が眉唾モノであった。
「あれ、ジャマだよね!」
「でも触ったらヤバいって!」
「いーからwポイしちゃお♪」
そんな旨のことを話てたと思う。メンバーの一人が橋の中間点に歩み寄り、
何かを拾い上げたかと思うと、河へと投げ捨てた。
(オイオイ、あの場所って!)
辺りが妙な静寂に包まれる・・・

 

18: 本当にあった怖い名無し 2007/02/17(土) 23:58:23 ID:05o6RZT20
>>12続き
年上のグループに文句つける勇気もなかった俺は、彼らが立ち去った後、
橋の中間点に行ってみた。
―案の定、昨日まであった花が無い、花瓶ごと・・・。
(何てことしやがったんだ奴等は・・・!)
 色々な意味で、愕然とした。
翌日、俺は日頃からのショバ代的な意味合いも含めて、
捨てられた花の代わりに適当な野花でも置いてやろうと考え、橋へ向かった。

「何じゃこりゃっ!!?」
橋に到着した瞬間、思わず声に出した。
紫の夕暮れ色に染まった橋の歩道、いつも花が添えられている場所、
その場所に大量の花束が添えられていた。イヤ、山盛りに積み上げられていたといった方が正しい表現であろう。大型ゴミ袋2杯分くらいの量だった。
おまけにどの花束も茶色くカラッカラに枯れ果てていたが、
それを束ねている真っ白な包み紙がやけに真新しく、不気味に俺の目に映った。明らかにドライフラワーなどという爽やかな類のモノではない・・・
(昨夜花が捨てられ、憤怒した遺族の異常行為であろうか?)
何にしろ恐ろしくなった俺は、集めてきた野花だけはさっとその場に置き、
そそくさとその場を離れた。
 しばらく歩き、遠目に橋を振り返る。
―その時、異様なモノが目につく。
(・・・人の・・・手?)

 

109: 本当にあった怖い名無し 2007/02/18(日) 12:20:55 ID:x8Q31fVt0
>>18続き
橋の欄干の隙間から、橋の歩道に向かって、何か白っぽい棒状のモノが
伸びている。
 もしあれが人の腕だとしたら、橋の外側にぶら下がって掴まり、
歩道に向かって手を伸ばし這い上がろうとしている状態である。
自殺未遂の人?・・・イヤ、アレは人じゃない・・・!直感であった。
そう思って身構えつつ、目を凝らした次の瞬間・・・
 「うぬぅ・・・おぉ~ん・・・」

 気だるそうな女の声が響き、水にまみれて海草のようになった長髪が、
 べったん!!
 と音を立て、欄干の隙間から歩道にはみ出てきた。
(頭も・・・上がってきている・・・顔が・・・見える!!)
 目を逸らそうとした矢先の、一瞬だった。
 今度は長髪に覆われた青白い人間の頭部のようなモノがにゅっと
はみ出てきて、俺の置いた野花を手に掴んでがつがつと口に含み、

ずりゅり!!

―手・髪・頭ごと、橋の裏側へ引き摺られるように一気に引っ込んでいった。
欄干の隙間は、どうやっても人間の頭部が抜けられない幅である。
その隙間を、青白い頭部が変形しながらすり抜けていた・・・

 次の瞬間、俺は校内最速記録を確実に更新する勢いで、
自宅まで突っ走った!(ヤベー、マジ脚力鍛えといて正解だったわ~!!)

 

134: 本当にあった怖い名無し 2007/02/18(日) 23:15:29 ID:OM50W+Dl0
  >>109続き
翌朝、母親から「あの橋にはもう行くな」と言われた。
母ちゃん霊感持ちか?と意外に思いつつ、理由を訊くと・・・
「あの橋の近所の○○さんがね、昨夜橋の上で何かが燃えてるのを
見たんだって。放火魔みたいなアタマのおかしい人の仕業かもしれないから、
もう一人で行くのやめなさい。」
(その燃えていた「何か」って・・・)
俺は昨日見かけた枯れた花束のことを母親に話した。
(流石にバケモンのことは言わないでおいた・・・)
「じゃあその花束が燃えてた・・・?でもそれだとハナシがおかしく
なるんだよね・・・」
母親が付近住民のハナシを整理した限りでは、炎は昨夜数時間にわたって
橋の上で燃え続けているのが目撃されていたそうだ。
―枯れた花がそんなに長時間燃え続けるものだろうか?
疑問に思った俺は、その日の学校帰りに、もう一度橋まで行ってみる
ことにした。
流石に一人では恐くて無理だ。部活仲間を一人巻き添えにして、
通学用の自転車を二人乗りして現場へ向かった。

 

141: 本当にあった怖い名無し 2007/02/18(日) 23:56:56 ID:rPGMrqb00
橋に到着。時間帯は前日来た時とほぼ同じで、辺りは薄暗い・・・
「おっ、おい!あんまそれ以上進むな!」
運転する友人に呼びかけ、橋の中間点から20メートル程離れた所で、
自転車を止めさせる。いきなり接近するのは危険だ。
「ハイハイ、言われなくたって、俺こんな自殺スポット来たくねぇよ・・・」
元来ビビリ屋の友人である。
「わるいねw でさ、あそこの辺で何かが燃えてたんだと思う。何か見える?」
ポイントを指差す俺。薄暗い闇に目を凝らす友人と俺。
いつの間にか風が吹き始めた。
「あの中間点?・・・モロ何か落ちてんじゃん!うわっ、キモッ!何あの白いの!?」
雑誌くらいの大きさの、白い紙だろうか、橋の歩道に沿って何枚も並べて
置かれているようだ・・・
不思議である。風に吹かれてはためいているのに、その場にとどまって
飛ばされない紙の列。思わず歩み寄っていく俺と友人。
(・・・真っ白な・・・紙・・・?)
昨日見た、花束の包み紙の残骸のようにも見える。

 

152: 本当にあった怖い名無し 2007/02/19(月) 00:33:30 ID:HMM22o2a0
紙から数メートルも位置まで近寄ると、紙が飛ばされすにいる理由がわかった。
―紙が釘で打ち付けてあった。歩道の地面に。
地味に異様な光景・・・俺と友人、愕然。
「・・・この紙、何か描いてね?」
友人が言う。確かに、紙がはためく度に、地面に伏せてある面に、
何かが描いてあるのが見える。
―ここまで来たら・・・
俺は思い切ってその紙を釘から剥がし取り、めくって裏を見た。
真っ赤な手形がそこにあった。

真っ白な紙の中心部に、赤ん坊程の小さな手形が、紅い色で
べったりと映えており、手形の中心部には、釘が突き刺さっていた穴がある。
「・・・何これ?」
友人も既に他の何枚かの紙を、釘から外して眺めていた。
「こっちも手形、あと足形・・・と変な絵だよ。」
同じく小さな真っ赤な手形、そして足形と・・・鳥だろうか?
紅色の単純な線で構成された、古代壁画チックな絵であった。
その鳥の目の部分に、釘穴の跡・・・

「あ゛あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!」

足元の欄干で、女の頭部が絶叫していた。
欄干の隙間に、異様に細長く変形した青白い女の頭部が挟まって、
大口開けて絶叫していた。濡れた長髪に覆われ、口以外は見えない。
歯が異様に白かった。胴体が欄干の外側に、だらりとぶら下がっている。
「ぅおあ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!???」
俺達も絶叫。女の頭部は俺と友人の間に出現したため、俺と友人は
それぞれ正反対の方向に全速力で逃げた。自転車放置で。橋の端まで。

 

166: 本当にあった怖い名無し 2007/02/19(月) 02:07:33 ID:HMM22o2a0
何者かが追ってくる気配は無い。叫び声もしない。
立ち止まって友人に携帯を掛ける。
「逃げた!?お前無事逃げられた?」
息を荒げながら友人が応える。
『平気だけどさ!な、なによアレ!?どうしよ!俺どうしよ!??』
友人は現場に自転車を放置してきてしまったこと、自宅が逃げた方向とは
反対なので、また橋を渡らねば帰れない事実にテンパりまくっていた。
携帯の時計は8時を回っている。橋の向こうは暗くて見えず、
友人の様子も分からない。更にこんな時に限って、車が一台もやって来ない・・・
「わかった、じゃ助け呼ぼう!お前の自転車壊れたとでも嘘ついて、
親でも友人でも呼び出して車持ってきてもらうんだ!俺もやってみるから!」
いやだ!こっち迎えにきてくれ!と喚く友人をなだめ、携帯を一度切り、
母親にダイヤルした。
―ツーッ、ツーッ、ツーッ・・・
繋がらない・・・てか呼び出し音さえ鳴らないということは・・・
画面を確認。「圏外」の表示。
はぁ!?
(じゃあ何でさっき俺は友人と・・・)

 

167: 本当にあった怖い名無し 2007/02/19(月) 02:08:08 ID:HMM22o2a0
・・・ピリリリリリリ!!ピリリリリリリ!!
今度は友人からちゃっかり着信である。何だこの未体験ゾーンは!?
「もしもし!?」
『あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー』

絶叫。友人の声ではない。受話器から耳を離す。それでも続く女の絶叫。
常人の肺活量では続かない長さである。友人が無事では無いことを悟る。
「くっそ!」
今すぐ友人のもとへ行かねば、取り返しのつかないことになる!
もう遅いかも知れないが・・・
『あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー』
―プツリ・・・
絶叫が響き続ける携帯を切り。俺は橋の反対側、友人のもとへ走った。
欄干の傍は通りたくないので、歩道ではなく車道のど真ん中を疾走する。
数少ない街頭の間と間にある、その深い闇に何かが潜んでいそうで、
走りながら恐怖で気が狂いそうだった。

 

172: 本当にあった怖い名無し 2007/02/19(月) 02:26:37 ID:HMM22o2a0
そして、橋の中間点に差し掛かった時、正面の暗闇から黒い影が
すごい勢いで接近してきた。
―!!!
友人を助けることなど一瞬で忘れ、来た道をダッシュで引き返す俺。
あの影ナニ!?どんだけ奇襲かけてくんだよ!!
(うおおおおおおおおおおおお・・・!!)
走りながら涙と鼻水と小便を垂れ流すような経験は、
後にも先にもこれが最後であってほしい・・・
影はまだついてきており、足音が聴こえる!が・・・
「お~い!何で逃げんだよw」
背後から友人の声である。影の正体は友人であった。
門限をとっくに過ぎていたため、怖いながらも意を決して、
こちら側に走ってきたそうである。
「イヤお前・・・さっきの電話で来てくれ来てくれ言ってたくせに・・・
しかも圏外で・・・出たら絶叫って・・・」
今度は俺が激しくテンパる番であった。
「電話って・・・自転車のカゴの、バッグの中だけど?」
コイツこんな状況で脅す気か?とでも思ってのか、不審そうな表情で
答える友人・・・
(・・・え?・・・だとすると・・・俺が友人だと思って通話してたのは・・・)

 

198: 本当にあった怖い名無し 2007/02/19(月) 15:24:48 ID:HMM22o2a0
>>172続きね。マジややこしくてごめん!w
それから俺達はとぼとぼと二人で歩いて帰宅した。自転車を失い、小便臭い俺と肩を並べて歩く友人が不憫でならなかった・・・
疲れきったお互いに会話は無い。
―夜道を歩きながら考える。
(もし・・・橋を渡りきっていたら一体何が待っていて、俺はどうなっていたのか?)
また小便を漏らしそうになった。が、漏らす小便も既に尽きていた・・・
「ねぇ、あの橋ってさ、昔から良くない噂とか歴史とかあった?」
後日、俺は地元の地理と歴史に詳しい爺ちゃんに訊ねてみた。
「あぁ、あの周辺は、コレなんだよ・・・」
爺ちゃんはそう言って、親指を曲げて四本指を差し出した。
―四ツ、四ツ脚・・・

 

199: 本当にあった怖い名無し 2007/02/19(月) 15:29:56 ID:HMM22o2a0
かつてそう呼ばれた身分の人々がいたのを、皆さんはご存知だろうか?
今もいるけどね・・・
まともな職に就けないそういった人々が、当時どんな仕事をしていたか?
「四ツ脚」つまり食用の家畜を扱う仕事の他に、俺の地方では河原の
「砂利拾い」が主だったようである。
良質の河砂利は、建設業者に高値で買取られる。
当然、骨身を削って「砂利拾い」をする輩が現れる。
だが、当時のそこはダムさえ無かった流れの荒い河原で、年間を通して
水死者が多発したそうである。
その後、ダムが建設され水量が安定したのを機に、一つの橋が架けられた・・・
以上が爺ちゃんから聞いたハナシ。
更に不気味だったことが一つ・・・
あの日橋の上で拾った謎の紙。それを俺も友人も、知らず知らずのうちに、
ポケットに詰めて持って帰ってきていたのである。
紙は二人で燃やして、自宅の玄関と部屋に軽く塩を撒いておいた。
現在、特に変わったことは何も無いし、爺ちゃんの話してたことが、
橋の怪奇現象と関係しているのかも分からず仕舞いだが、
とにかく俺も友人も、二度と車以外であの橋に行くことはなくなった。

 
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