2008/01/05(土) 03:56:47ID:S5ewZ5PF0
東京のとある土地に母方の婆ちゃんの実家がある。
婆ちゃんの実家には、俺の母の弟にあたる人、つまり叔父が
息子、娘と一緒に住んでる。
うちはその一部の土地を借りて家を建てた。
婆ちゃん家の隣にたたずんでいる。
婆ちゃんの家は建て直した状態だが
以前は、木造のなかなか雰囲気をもった家だった記憶がある。
家の周りには木がうっそうと茂っていて、井戸が2つあった。
片方は、深さ1メートルぐらいの石でできた容器のようなもの。
井戸とは言わないか。
もう片方が年代物で深さも相当なもんだ。
俺の家の正面にあり、今では蓋がしてあるのだが、
昔は地下水を汲んでいたようで、蓋の上には手動の
ポンプみたいなものが今でも残ってる。
俺が生まれた頃にはもう使用されていなかったが、
蓋の一部がかけていて、中に石を落としては水の音を楽しんだものだ。
形は「井戸」らしく円形で、今思い出すと結構怖かったりする。
俺は小学生の頃、ちょっとした夢遊病があった。
いつのまにかソファーで寝てたりして親に怒られた事もあった。
そんな小学生5年生の時の真夏の夜
俺はいつものように布団にもぐった。
ふと半起きのような状態になり、布団が無い事に気づいた。
また夢遊病か?しかしその日はいつもと感じが違った。
夏なのになんだかヒンヤリする。
ふと目を明けると星空が見える。まだぼけている。
手探りで周りを探ってると、硬いものにあたった
隣には井戸があった。
俺は家の外にある井戸の横で寝てたのだ。
俺は途端に目が覚め、急いで家に入ろうとした。
ドアがあかない。鍵がかかっている。
「僕はどうやって外へでたんだ(泣)」
勝手口と縁側のドアからも入ろうとしたがどこも開いてない。
後ろで水の音が聞こえた。
泣くしかなかった。とにかく怖くて早く中に入りたかったが
ドアが開かない。呼び鈴を押し続けた。
バシャバシャ
どれぐらい時間がたったんだろう
ついにドアが開いて中に入る事ができた。
母ちゃんがいれてくれた。俺はすぐに布団にもぐりこんだ。
朝起きるといつもの朝だった。
弟がいて親父がいて、母ちゃんがいて。
母ちゃんに礼をいおうと思って話しかけたが覚えてないという。
「あれは夢だったのかな・・・」
嫌な事は早く忘れよう。
俺は二度寝しようと思ってベッドへ戻った。
俺は血の気がひいていくのを感じた。
ベッドの上には芝生が落ちていた。
「僕はやっぱり外へでたのかな?」
実家に帰って、家の前にたたずむ井戸を見るたびに思い出してた
小学生の頃の不思議な体験を・・・
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