ガッコ卒業して社会人になってまもなく。
都内に住んでいたんだが、ある日曜、ふと思い立って高尾山に登った。
ガッコ卒業して社会人になってまもなく。
都内に住んでいたんだが、ある日曜、ふと思い立って高尾山に登った。
でも、思い立ったのが遅かったので、頂上に着いたころは午後遅く。
ああいう観光地ってみんなさっさと下山しちまって、潮の引くように人がいなくなるのな。
夕方に向かう山道を大急ぎで下る。
もう、前にも後にも人っ子一人いない。
心細いww
足を目いっぱい動かして、ハアハア道をかせぐ。
ほの暗い山がこわくて、あせる、焦るw
もう、ふもとに近いころ、とある角を曲がったとたん、人がいた。
ハッとしてから、やや安心しようとして違和感。
その人、スーツ着ていた。
街中ならフツーにいるサラリーマン。
カバン持って革靴はいて、ちょっとトボトボした足取り。
それが薄暗くなりかけた山ん中にいるんだから、やっぱ「????」で目いっぱい
ジロジロ見たんでよく覚えている。
なんとなく怖いんでさっさと追い抜いちまおうと思うんだが、やっぱ気になる。
すれ違いザマにぐるっと振り向いてみた。
オレ、オレ、オレだよ!! ばあちゃん。
オレだった!
顔もダークスーツの趣味も、タイの好みもまちがいなくオレ。
ちょっとうつむき加減で、こっちなんか見てもいなかったが・・・。
高尾山は霊山だから、こういうことが起きるのかもね。
江戸時代には「影の病」と言って、自分を見たものはほどなく亡くなるという説も
あったそうだが、今でもオレはピンピンしている。
むこうはオレの存在に気づいてもいない感じだった。
目線は地面に向いてたよ。
ま、薄暗い中、下ってるから当然だろうけど。
自分の物だった。
でも、そう言い切ってしまうには、上手く言えないけど違和感?がある気がする。
やっぱ、
>顔もダークスーツの趣味も、タイの好みもまちがいなくオレ。
って表現が、一番しっくりくる感じ・・・。
わかった(笑)わかった(笑)
成仏してくれ
山から降りたら、
会社がつぶれてた
どうだ、怖いだろう?
神様ぁぁぁ!
実家に帰るって書き置きと、緑の紙が置いてあった。
捺印して送れだって。。。
いやいや、全然知らん男が奥さんと子供と一緒に仲睦まじく生活しているほうが怖いだろう