3人で仲良く暮らしていましたが、ある日お父さんは事故で亡くなってしまいます。
それからというもの、お母さんは昼夜問わず働き、ゆかりちゃんに母子家庭のみすぼらしさを感じさせぬように働きました。
ゆかりちゃんが中学生になる頃、お母さんが倒れました。
相当きつい仕事をしていたのか、お母さんは病気と闘う体力さえ失っていて、治療はうまくいきませんでした。
亡くなる直前に、お母さんはゆかりちゃんに御守りを渡します。
ゆかりちゃんはそれを大切に持っていましたが、ある日、クラスの男子にからかわれた際、
その男子はゆかりちゃんが嫌がるのを無視して、その御守りを開けてしまったのです。
ゆかりちゃんは取り返そうと近づきましたが、その男子の顔が余りに酷い顔をしていたので、ゆかりちゃんも立ち止まりました。
男子はゆっくりと御守りから取り出して読んでいた手紙をゆかりちゃんに差し出しました。
その御守りにはお母さんからの手紙が入っていたのです。
ゆかりちゃんはその事を初めて知りました。
男子からそれを受け取り、そして、その手紙を読もうとしましたが、それは端的に書かれた一言だけでした。
その手紙には、はっきりと思い出せるお母さんの字で、
「ゆかり死ね」