俺が大学生だったころの夏休みの話。
廃墟巡りをしていた俺たちは山の高台にある廃墟の施設へ肝試しに行った。
夜9時ぐらいに友達の家に集合しそいつの車で廃墟へ向かうことになった。
車はツードアのスポーツタイプでかろうじて4人のれるほどの車だった。
野郎4人だったので正直狭い。後部座席は天井に頭が着いてしまうくらいだった。
廃墟に到着したのは10時を廻った頃。
まわりには電灯は無く町の灯りも遠い。懐中電灯を持ち立ち入り禁止と書いてある
柵を乗り越え廃墟に入っていった。
案の定、入り口の窓ガラスは割られ容易に進入することができた。
廊下を歩きながら各部屋に入りヒャーヒャーいいならが妖しい物はないかと物色してた。
そして廊下の一番奥の部屋にたどり着いた。ドアには「危険ハイルナ!」とスプレーで
殴り書きがあった。お構いなしに一人がそのドアを開けたとき入り口付近がバッ!っと
フラッシュのように光った。一斉に振り向く4人。そして振り向いたと同時に今度は
その部屋が光った。
何が起こったのかもわからずダッシュで入り口に逃げる。何かに追われるような感覚を
残しながら車に飛び乗った。4人中二人は助手席側から後部座席へ乗り込んだ。
俺も後ろの席に乗り込んだんだが先に乗り込んだ奴がじゃまで中に入れない。
俺が「早くのれよ!!!」と叫ぶが先に乗った奴は一向に奥につめない。
無理矢理乗り込んでもう一人も助手席に乗って急いでその場を後にした。
5分もして山を下り幹線道路にでた。
いくらか冷静さを取り戻して隣の奴みたらなぜか後部座席の中央に乗っている。
俺が「おまえ奥つめろよ!!」と言ったらそいつが「だって誰かいたんだよ!!」
って叫び返してきた・・・。