<他人の霊の憑依によってさんざんな人生>
<他人の霊の憑依によってさんざんな人生>
私は父が54歳、後妻である母が40歳の時の子で中一で父が他界した
成人して就職し安定していたが27歳の時母親が鬱病になり入院もしたが良くならない
ある朝母は焦点が合わず完全に変だったが出勤のためやむなく家を出た
午後に病院から職場に電話が入り「地下鉄に飛び込んだからすぐに来い」と
言われ駆け付けた 母は体は無傷だったが興奮して「両足切断」と喚いていた
聞けば、頭に黒い物がバサッと被さっておかしくなり最寄駅へ行った
ホームで躊躇したが思い切って線路に飛び降りた
電車が入って来て車輪も視界に入ったがその後の記憶が無く気が付くと体が
ペタッとうつ伏せになっていて体の上を電車がゴーゴーと通り過ぎたそうだ
後日地下鉄役職者に呼び出され「あそこに入って無事だった人は居ない
電車の停止時間は短かったので賠償金は請求しない」と言われた
奇跡的に命が助かった訳だが私は先祖に何か因縁があるのではと思った
戸籍を全て取り寄せ休日には関連のある土地やお寺を訪ねた
遠縁の親戚を探し出して話を聞いたりもした
616続き
だがいくら調べても先祖には鉄道自殺した人はいなかった
平行して父没後絶縁状態だった異母姉も探した
親子位年が離れていて一緒に暮らしたこともないが会いに行った
父は戦前、北陸のある孤児院の院長を3年程していたことがある
姉はその頃の写真を広げ一人の少年を指して「この人は自殺したんだ」と言ったが
全くの他人だし凄く昔の事だし自分とは関係無いと思って特に質問しなかった
母の鬱病は治らずその後は脳梗塞になり死ぬまで入院していた
再度姉を訪ねたのは4年後だった 又写真を出して同じ事を言うので
流石にどういうことなのか聞かずにはいられなかった
その少年は秀才だったので父が進学する資金を出してあげた
彼は小学校の先生になり子連れの女性と結婚して実子も設けたが夫婦仲は悪かった
S28年赤狩りで逮捕され釈放されても家に戻らず東京に出て来てしまった
しかし彼が慕う(父の)先妻は既に亡くなり、父と(異母)兄はブラジルに
渡った後だし結局姉にしか会えなかった
父達を頼りにしていたので絶望してしまったのだろう、姉は彼の様子が
危ういので家に帰るよう諭し上野駅まで送ったのだった
しかし彼は舞い戻ってしまい先妻のお墓がある霊園の近くで睡眠薬を飲み
線路に横たわった 両足切断で即死ではなくしばらく虫の息だったらしい
死後49日目に身元判明し家族や姉に連絡が来た
617続き これで最後です 長くてすみません
私はこの話を聞いて母の精神病や電車騒動はこの男性の霊的影響によるもの
だと確信した 私なりに御供養していたが23年位経ったH21年、彼の奥さんの
連れ子を探し当てたので電話で亡き姉に代わってお墓詣りさせてほしいと
言ったら快く承諾してくれた
北陸のK駅で待ち合わせてお墓詣りの後、自宅に招いてくれた
頼んでもいないのに彼女は戸籍謄本を見せてくれて男性の命日はS28年3月29日
午前零時20分だった
私の母が地下鉄線路に入ったのも3月29日お昼の12時20分頃だった
午前と午後の違いこそあれ時刻まで一致していたのは驚愕だった
S28年当時、母は父と共に地球の反対側のブラジルに居て私はと言うと
母のお腹の中だった
一度も会った事が無く名前も知らない赤の他人の影響を受けて
しまったのは何故なのだろう
彼の最後に関わってしまった姉にも障りが有ったと思う
(姉の人生も多難なものだった)
二、三年前まではあまりにも理不尽と思う気持ちが強かったが
今は大分薄れて来た 私も年を取ったのだなと思う