サイクリングに嵌まってた時期があったんだが、10年くらい前のある晴れた夏の日のこと。
332: 本当にあった怖い名無し 2014/07/12(土)21:17:48 ID: ID:rHKUB
サイクリングに嵌まってた時期があったんだが、10年くらい前のある晴れた夏の日のこと。
午前10時頃に家を出発して、片道4時間くらいかけてある見知らぬ町にたどり着いたんだが、その町がもの凄く静かだった。
山を背にした緑豊かなところで、山の方から「カーン、カーン」と金属に金属を打ち付けるような音が聞こえていた。
不気味だったのは、その金属音以外の音が全く無かったこと。
民家は多くあったが、人の声も生活音も一切聞こえない。動物や虫の鳴き声も無い。真夏の晴れた昼間なのに、蝉の鳴き声すら聞こえてこない。
そもそも自分以外、動いているものが全くない。人も車も、犬や鳥、虫一匹見当たらない。風も吹いておらず、木も草も動かない。
333: 本当にあった怖い名無し 2014/07/12(土)21:18:10 ID: ID:rHKUB
それでいて、何故か民家からは人のいる気配だけは感じていた。
薄気味悪さを覚えるようになってきたところで、山の方から聞こえていた金属音が、段々こちらに近付いてくるように感じられた。
直感的に「まずい」と思い、急いでその町から出た。
たったこれだけで、実際には何も無かったんだが、自分の人生の中で一番奇妙な経験だった。過去には霊らしきものを見たこともあるが、それ以上の気持ち悪さを感じた。
その後もサイクリングで様々な見知らぬ土地を訪れたが、このような経験はしていない。