実話
数年前に足を折って都内の病院に緊急入院した
足はずきずき痛むし熱は出るわで初日は3時間ごとに看護師さんが部屋まで様子を見に来てくれた
入院した初日の夜
大部屋だったので仕切りがカーテン
人が通るとカーテンがふわっと動くからわかる
消灯後も看護師さんが見回りに来る
その際は懐中電灯を持ってるから看護師の影がカーテンに映る
21時の見回りで看護師が来る
0時の見回りで看護師が来る
足が痛くて寝られない中、2時頃にも誰かが病室に入ってきた
カーテンに影ができてるが懐中電灯を持っていない
黒い影だけがカーテンの向こうでゆらゆら揺れてる
暗いから完全にはわからないがカーテンの隙間からこっちを覗いてる気配がする
が、わかってしまった
カーテンの近くに立つとカーテンの下の部分が大きく床から離れてるため足は見えるはずだが
足が見えない
浮いてる状態の奴がこっちを見てるありえない状況
しばらくするとまたカーテンをふわっと動き、その人物は部屋から出ていった
後から看護師に聞いたところ
「見ちゃった?たまにいるんだよね」
と
そして看護師はこうも答える
「それが出るとね、何日か後に必ず死人が出るんだよ~」
「長く入院してる人はみんな知ってるけど、怖がるから話しちゃダメだよ~」
あまりにあっけらかんと答える
まさかそんなばかなと思っていた翌日
朝から隣の病室があわただしい
起床の時間にじいさんが起きないのを隣のベッドの患者が発見、死んでるのが見つかったそうな
その病院はまだ都内で健在
黒い影はいわゆる死神というやつらしい
完