小学生の時に兄と私と友人数人で 地域で有名な公園によく遊びに行ってました。
引用元: ・死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?226
「ギャアギャアアヒャヒャ」と叫びとも笑いともつかぬ顔で私を見ています。
私はそれを避けて、友人が必死で糸から引き剥がそうとしている兄に
泣きながらしがみ付き、お兄ちゃん、お兄ちゃんと糸を必死剥がしました。
どうにか兄から糸をとって自由になると同時に
「お~い、こっちー、こっちに皆いるぞー」と
山の穴からA君の声が聞こえます。
私達は怖くて顔を見合わせて
公園に向かって逃げ出そうと振り向く。
そこには先ほどまで居た逆さづりの兄はおらず
代わりに、ユラユラと空中に浮いた虫のように
白く膨張したボールを下に垂らした糸が
空から垂れています。
それを恐る恐る避けて行こうとすると
ボールの様な何かが
「ウヒャヒャアアヒャアアヒャアアアヒャヤアア」と
気でも違ってる人の様な笑い声をあげてゆっくりと地面に下りてきます。
後ろから兄が
「後ろ向くなよ!○○(私に)、○×(友人)、後ろ向くな、逃げろ!」
と言い、私は「お兄ちゃん、お兄ちゃんいる?」と泣きながら、
それでも逃げながら兄が近くに居るのか、又捕まってはいないか、と心配になりながら
兄を呼びます。
兄はすぐに「居る、居るから!いいから振り向くな、とにかく公園に逃げろ!」
と後ろから声を掛けてくれます。
友人が「大丈夫、私が××(兄)の手をもってる。大丈夫だから公園に!」と私の手も取って
一緒に公園まで逃げます。
森を突っ切って公園に入るとB君は心配そうにこっちを見て
ウロウロしながら震えていました。
私達が走ってくるのが見えると彼は悲鳴をあげ、逃げ出し始め、
それを見て私達も後ろにまだついてきてるのだと思い
手を繋いだまま逃げました。
人が集まる広場まで出るとB君が大泣きしながら、他の知らない子達に
「何があったの?どうしたの?」と慰められており、
私達もそこまで行き三人で腰を落として泣き始めました。
しばらく泣き、落ち着きはじめるとB君が
「Aは?Aは?」と聞いてきます。
兄が「山の穴で他のやつらと会ったみたい。」と説明し
皆の帰りを待つことに。
広場に私達を見つけ近づいてきました。
「お前らどこに行ってた?Aは?」と兄やB君に聞いてきました。
「え?A君が山の穴でお前らに会ったって言ってたよ?」と
兄が混乱しながら彼らに伝えます。
彼らはA君と会っていないとの事なので、
私達は「山の穴で声をかけたでしょ?」と尋ねました。
しかし、彼らは何度も叫んで私達を呼んだが返事が無かったから
お菓子を食べ、その最中に道路からゴーンと音がして怖くて逃げてきたらしく
その後、上の道路から煙や救急車の音が聞こえたので事故があったのかと
こちらへ戻ってきたとの事でした。
そこで私達は今あった事を全て彼らに伝えて、A君は山の穴で
彼らに会ったと言っていた。私達は怖くて逃げた。とも言いました。
私達の友人は兄が怖がるとこをあまり見たことなくて、
そんな嘘もつかないだろうと信じてくれましたが、
他校の友人達は「なんだそれ?ガキじゃあるまいし」と
一笑してB君にA君探しに行くぞと声を掛けて無理やりつれて
川に戻りました。
私たちも川までは着いて行きましたが、森に入るのは流石に怖く
ここで待ってると言うと
「もういいよー、お前らの学校は怖がりが多すぎるガキばかりじゃねー」
と笑いながら他校の彼らだけが森へ向かってA君を探すことになりました。
B君の背中に指をさしながら
「おい、いかんほうがいいんじゃないのか。」と言いだしました。
彼らは振り向きながら、何があるのかとB君の背中を覗き込みます。
言った友人は私や兄、一緒に行った友人の背中を次々と覗き込みます。
私達は何があるのかと兄や友人の背中を交互に見てみますが
別に何もありません。
しかし、他校の友人達は「うわぁ、な、なんだ?」とか
「ひー」と腰を下ろしだし、
B君は自分の背中を見ようと首を後ろに向けたのですが、
見えるはずもなくクルクルとその場で回り始めました。
彼は何?何なの?と友人達に泣きそうな顔で聞いており、
私達はその場で足踏みをしている彼の背中を凝視しました。
まずは私が小さな悲鳴をあげて腰を落とし、
友人もそれに続き、兄だけは声は出したものの
ソレを掴もうとB君に近づきました。
私と友人は兄を止めてB君に服を脱いで見るように言いました。
B君は急いで上着を脱いで地面に叩きつけるように置きました。
そして上着の背中に蠢く小さな虫。のような糸のような何かを見つけました。
それはさっき私たちが見た上から垂れてきた糸と同じような
それを縮小したような物で糸の先にヒラヒラと小さな旗がついていました。
が。
旗が膨張したり、平ぺったくなったりを繰り返しており、
膨張したときにA君の顔に見えるのです。
一瞬旗に戻り、一瞬A君の顔になる。
体は糸ノママ、ウネウネとしたまま。
それがB君の上着にくっついていたのです。
B君はあろうことか、うわぁーとその糸を靴で踏み潰して
蹴りながら、服から除けようとしました。
何度も何度もソレを踏み潰してるうちに膨張した時の
A君の顔が潰れて旗の状態にもどらない代わりに
平ぺったくなりました。
それでもウネウネと動き続けていました。
私達は呆然とそれを見ています。
B君以外は何をどうするべきなのかわからないから。
いつの間にかB君は笑ってました。
必死な顔がニヤニヤしてるように見えただけなのでしょうが、
どうにも笑って見えるのです。
その行為を永遠に続けるのでは無いか?と思えるぐらいに
何度も何度も糸を、虫を、A君に見えてしまうソレを
踏み潰しては蹴りあげてのけようとしていました。
B君を止めて服を拾い上げて確かめた後に地面を見回すのですが
近場にはいくら探しても糸は落ちていませんでした。
その後、彼らは山の穴に近づくことを諦め、川でB君の服を
洗っていました。私達はどうするでもなく、ただ呆然と、
傍らに座ってそれを見てました。
彼らは怖さでなのか、又はA君を探せないことへの心苦しさから
なのか、涙を流しながら川で服を洗っていました。
A君は夕方4時になっても5時になっても帰ってきませんでした。
他校の生徒の一人がその間、学校から先生を一人つれてきました。
その先生に今までの事を全て話しましたが、私達の言うことをウンウンと
聞いたあとに兄に私達の学校の先生を呼んでくるように言いました。
その後私達の先生に事情を説明しました。同じようにウンウンと聞いた後、
他校の先生と何事か話しあい、私達はとりあえず帰るようと指示し
一人の先生は学校に戻っていきました。
多分応援というか、他の先生を呼びに行ったのでしょう。
夜に先生から電話があり、翌日に学校に来るように言われました。
親も色々と先生から話を聞き、一緒に明日学校に行くから今日は寝なさいと
私と兄に厳しい顔で言いました。
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