実家の20歳の猫が死んだ
兄にいちばん懐いて可愛がっていたけど、兄が仕事で3ヶ月出張している間に死んでしまったんだ
寂しすぎたのかもしれない
その兄は子供の時から心臓が弱くて、ある日仕事中に死ぬかと思うくらい猛烈に体調が悪くなったらしい
でも本当に失敗できない商談直前だったから、猫の名前を呼びながら「これが終わったら苦しみが倍になってもいいから助けてくれ」って念じたんだって
そしたら頭の中に若い女性の声で「それはダメ!身体は大事!」と聞こえて、一気に苦しさが消えたそう
猫にお礼を言いながら、その日は無事に商談が成立した
家にいるとき、数日経っても体調がいいから病院に行かなくてもいいかなと思ったら、その瞬間に「ごめんね」と声が聞こえてあの苦しみが再現
即刻で病院に担ぎ込んだら、医者からすごく危険な状態だったと言われた
よくこれだけの発作で生きてましたねって
今も入院しているんだけど、夢に綺麗な若い女性が出てきて、「あなたはずっと生きて。いつか私が迎えに行く日まで」と言われたらしい
猫の顔にあった黒い毛の位置に、その女性にもほくろがあったらしく、猫の名前を呼んだら微笑んでいたそうだ
兄が涙をだらだら流しながら起きたから話を聞いたら、この一連の話を教えてくれた
猫、20歳だから人間なら超高齢のおばあちゃんなんだけど、生前から「今年から女子高生だ」とか「成人式だね!」とか話していたせいか、姿も声も若い女性らしい
兄が彼女を家につれてくる度に、よさそうな子には最初から懐くが、裏では人間的にどうかという子だったらめちゃくちゃ威嚇してた
ひたすら兄のことを想ってくれていたのかなと思うとちょっと切ない