人間の怖さ

【後味の悪い話】扇風機

暑くなって参りましたね。

20161122c

578: 本当にあった怖い名無し  ID:

暑くなって参りましたね。

こう暑い日は冷房の温度を目いっぱい下げて、といいたいところですが何かと光熱費がかさむので扇風機で我慢している今日この頃です。

扇風機と言えば思い出します。
今はもうないのですが、少し前まで古めかしい扇風機が家にありました。
いかにも高度経済成長期に大量生産されたような昭和デザイン丸出しのボロ扇風機で元々は全体が白かったようなのですが、激しく日に焼けたせいかもはやアイボリーといったような状態で音も非常にうるさい。

ある夏の日、そうですね私が小学校にあがたばかりの頃だと思いますが、
子供の頃誰しも経験があるように、私も扇風機に向かって「あ゛ー」とやっていたわけです。
すると高速で回転するハネの向こうかラジオのような声が途切れ途切れ聞こえてきたんです。

「あーもしもし!俺は○○精神病院に閉じ込められているから早く助けてくれ!」

今思えばそういった内容だったと思います。

 

580: 本当にあった怖い名無し  ID:

私は何分小学生それも低学年だったわけですから細かいことは解らなかった訳です。ただ「閉じ込められている」とか「助けてくれ」という言葉から判断して何か大変なことが起こって
いるのだと思い、とにかく必死になって「直ぐ
に助けてあげるから待っててください!」な
どということをひたすら叫び続けたわけです。

ふと気配を感じて後ろを振り返ると、私の母
が立っていました。
魚みたいに無表情な顔をして、私をじーっと
見下ろしていました。

「○○ちゃん、明日はいい所に連れて行ってあげるから学校はお休みしましょうね。」

気がつくと扇風機は止まっていて、先ほどの声はまったく聞こえなくなっていました。

 

581: 本当にあった怖い名無し  ID:

翌日、家の前に黄色いタクシーが止まっていました。
私は父と母に挟まれるようにして座席に乗せられました。

「ねえこれから何処へ行くの?」

私がそう言っても父と母は何も答えてくれませんでした。

しばらくタクシーは走り続けました。
どこかの山の方へ上り坂をぐるぐると登っていきます。
そして着いた先の建物が○○病院でした。

「○○ちゃん、今日からここで暮していくんだよ。大丈夫よ、お母さんやお父さんはちゃんと顔を見せに来るから心配しないでね。」

「○○なら大丈夫だ。がんばれよ。」

二人はそう言うとタクシーのドアを閉め帰っていった。

ポケットの中で、溶けて銀紙から溢れたチョコレートが手の平をベッタリと覆っていた。
私がそのチョコレートを舌で舐め取ると、貧相な手相がふてぶてしくも私の物悲しい未来を予知していたのである。

 

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