奇妙な話

【不思議な話】見えない本

大手じゃなくておじいさん一人と奥さんの二人でやってる古本屋でバイトをしてた

20161113c

40: 本当にあった怖い名無し  ID:

大手じゃなくておじいさん一人と奥さんの二人でやってる古本屋でバイトをしてた
頃があって、漫画本とか単行本より古書とか紐で製本されているような本を取り扱っていた
古書あるあるっていうか、業界人なら結構経験するんだけど仕入れたはず本の冊数が
店舗で整理すると少ないことがよくあって、これだけ聞くとじいさん達も老いさらばえてきたなって
話なんだけれど、それは数え間違いじゃなんかじゃなくて数える人によって冊数が変わる

例えばおじいさんが10冊仕入れてきても奥さんが数えたら6冊しかなくて俺が数えたら8冊しかない、
みたいなことがざらにあって、目の前で奥さんに数えて貰うと確かに6冊なんだけど
自分で数えると何故か8冊ある、みたいな感じで人によって目に見えない古書が混じってる時がある
そういう人によって見えたり見えなかったりする本は売り出しても大抵気づいたらなくなっていて、
ヤフオクに出品して落札されても、いざ郵便で発送すると配送事故でお客の手元に届く前に何処かに
消えることが殆ど。だから縁起が悪いってことは特にないんだけれどどんなに高価でも捨てるって
いうのが暗黙のルールになっていた

ひどいのタイプは誰にも見えない本で、そういう本は仕入れた時にも店舗に並べる時にも誰も気づかなくて、
お客が手に取って値札がないぞとレジに持ってきた時にはじめて気づく
そういうお客には欲しいなら売るけどなくなるよっていう旨を伝えるようにしてる
不気味がって買わないお客もいるけど大抵のお客は面白がって持って帰って2、3日後に
青い顔をしながら店に来る

一番驚いたのは小学生位の女の子が一人で来店して色んな本を見てたんだけど
レジに来た時に重そうに空気を小脇に抱えて持ってきたことがあった
じいさんも奥さんも自分も店にいたんだけれど誰にも一冊も見えてなくて
本が好きなら無料で持って帰っていいよというと喜んで空気抱えて帰っていった
それから味を占めたのか自分がバイトを辞めるまでたまに来店しては誰にも見えない本を
無料で持って帰っていた。どんな本だったのか聞いておけばよかったとたまに思います

 

41: 本当にあった怖い名無し  ID:

>>40
付随した話で、その店主のおじいさんに当時7歳の男の子の孫がいて
小さい頃はよく遊びにきてたんだけど遊戯王に夢中になってからなかなか
遊びにこなくなって、おじいさんがどうしても孫とまた仲良くなりたいって俺にいうから
おじいさんは将棋が好きだったから将棋王っていう将棋の駒に攻撃力と守備力と効果を
つけて将棋盤と駒で遊ぶゲームを考案して上げたら孫がそのゲームにハマって
また店舗に沢山来るようになった。
その将棋盤と駒っていうのがおじいさん家で3世代位身内で受け継がれていた
結構大事な物だったらしいんだけれど将棋王ブームから一月位たってボヤ騒ぎが起こって燃えた

すぐ新しい将棋盤を買って孫と遊んでいたけれど自分は先祖が切れたんだと思ってる

 

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